化粧水の効果や役割は?
化粧水の最大の役割は、肌を整えること。肌に水分や美容成分を与えることにより、肌の水分と油分のバランスを整えて、やわらかく、なめらかな肌へと導きます。肌本来のバリア機能を高めたり、次に使う美容液やクリームの効果を受け入れやすい状態に導いたり、と化粧水には機能面の効果もたくさんあります。
化粧水を使う際のポイント
化粧水がもつ様々な効果は、正しく使ってこそ発揮させることができるものです。「どれくらいの量を使うべき?」「使うべきタイミングや順番は?」など、今さら聞きにくい化粧水の気になる疑問をぜんぶ解消して、正しい使い方をしっかりとマスターしましょう。
・化粧水の量はどれくらいが理想?
化粧水は、肌が水分を含んで、ひんやりとした感触になるまで浸透させることが理想です。メーカーが推奨している量を使うことが基本ですが、適量と表記されている場合には、500円硬貨大くらいの量を目安にするとよいでしょう。
サラサラとしたテクスチャーの化粧水の場合、一度に肌に浸透させることが難しいこともあるので、回数を分けて少量ずつしっかりと浸透させます。コットンでつける場合は、摩擦を起こしやすいので、適量より多めにつけることをおすすめします。
・化粧水を付けるタイミングや順番は?
化粧水をつけるタイミングは、洗顔の直後がベスト。<洗顔 → 化粧水 → 美容液 → 乳液またはクリーム>の順番で使うのが理想的です。洗顔後の肌は、汚れや皮脂とともに、大切なうるおいも洗い流されてしまっています。そのまま何もつけずにいると、肌の水分がどんどん奪われてしまうので、化粧水で水分をすばやく補給する必要があります。そして肌を保湿し、やわらかく整えることで、次に使う美容液やクリームの効果を受け入れやすい状態に整えることができます。
【基本編】化粧水の使い方
化粧水をつけるとき、手でつけるべきか、コットンでつけるべきか、悩むところです。化粧水は、顔のすみずみまでムラなくなじませることが大切なので、正しく使うことができているのであれば、どちらの方法を選んでも正解です。手でつける場合とコットンでつける場合、それぞれ基本となる使い方を確認しておきましょう。
・手を使う場合
手のひらに適量とってから、両手で顔全体になじませます。一度にバシャバシャと大量につけたり、パンパンと強く叩いて押し込んだりしても、肌になじみやすくなるわけではありません。回数を分けて少量ずつを重ねづけする、細かな部分にも丁寧になじませることを心がけましょう。最後に、手のひら全体で顔を包み込むように押さえ、やさしくハンドプレスすることもおすすめです。手のひらの体温によって、化粧水をしっかり浸透させることができます。
手を使った化粧水の使い方をもっと詳しく知りたい方は以下のリンクをチェックしてみましょう。
・コットンを使う場合
化粧水をコットンに適量とってから、顔の内側から外側に向けて、肌の上をすーっとすべらせるようにしてなじませます。鼻周りなどの細かい部分は、コットンを半分に折って、トントンと押さえるようにしてなじませるようにします。ゴシゴシと強くこすったり、過剰にパッティングしたりするのは、肌への刺激となるのでやめましょう。コットンでつける場合は摩擦を起こしやすいので、適量より多めにつけることをおすすめします。
以下のリンクでは、コットンを使った化粧水の使い方や、おすすめのコットンを紹介しています。
化粧水の使い方をさらに詳しく知りたい方は、以下よりトータルビューティアドバイザー水井真理子さん監修の動画をチェックしてみてください。
【応用編】化粧水の使い方
化粧水の基本的な使い方をマスターできたら、次は応用編です。化粧水をフェイスパックやコットンパックとして使うとき、美容液や美容オイルと併せて使うとき、外出先での化粧直しにミスト化粧水を使うときの効果的な使い方をご紹介します。
・フェイスパック、コットンパックとして使うとき
フェイスパックやコットンパックに使用する場合には、まず、シートやコットンが全体的にひたひたになるまで化粧水を含ませます。コットンの場合には4~5枚に裂いてから1枚ずつ、肌に密着させるように貼り付けます。そして、そのまま3~5分ほどパックします。途中でシートやコットンが乾いてしまう場合には、化粧水で湿らせた手で上から押さえる、ミスト化粧水を吹きかけるなどして、水分を補うようにしましょう。
化粧水をただつけるだけではうるおいが物足りないと感じる時や、集中的なケアが必要な場合などに使うことをおすすめします。パックをすることで、化粧水の効果を存分に発揮させることができます。
・美容液や美容オイルを併用したいとき
化粧水には、肌にたっぷりの水分を与えることで、次に使う美容液や美容オイルを肌に効率よくいきわたらせるブースターとしての効果もあります。うるおいで満たされ、やわらかくなった肌は、美容液や美容オイルの効果を受け入れやすい状態に整っています。毛穴、くすみ、ハリ不足など、気になる悩みがある場合には、その症状に合わせた美容液や美容オイルを選んで、化粧水の後、乳液やクリームをつける前に取り入れてみてもいいでしょう。
・外出先などでミスト化粧水を使うとき
日中の化粧直しには、くずれたメイクや皮脂をティッシュなどで軽く押さえてオフしてから、化粧直し用のミスト化粧水を顔全体にスプレーします。手のひらでなじませてから、スポンジなどでヨレたファンデーションを取り除き、その上から新たに下地やファンデーションを少量のせてなじませます。
ミスト化粧水は、製品によって化粧直しに適した使用量は異なりますので、必ず使用方法を確認するようにしましょう。
【肌質・肌悩み別】化粧水の使い方
・乾燥肌
“秋冬の肌悩み”としてとらえられることの多い乾燥肌ですが、1年を通じて、乾燥に悩む人が増えています。気温や湿度の変化といった外的環境に加えて、加齢やストレス、体調不良、睡眠不足や栄養不足も、乾燥の原因になります。
乾燥肌は、肌の水分含有量が低下している状態であるため、肌のうるおいを守る成分である「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」などが含まれた化粧水を選ぶことをおすすめします。
乾燥肌におすすめの化粧水
乾燥肌でお悩みの方におすすめの化粧水をご紹介します。それぞれの化粧水の特徴やプロが注目したポイント、VOCEユーザーによる口コミなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
・脂性肌
脂性肌は、肌をしっかりと保湿して、油分と水分のバランスを整えることが大切です。うるおい不足によって皮脂が過剰に分泌されていることも多いので、ベタつきが気になるからといって、化粧水の使用量を減らしたりしないようにしましょう。保湿力の高い化粧水で保湿することで、肌の水分バランスが整い、トラブルを起こしにくい健やかな状態に導くことができます。
脂性肌におすすめの化粧水
脂性肌でお悩みの方におすすめの化粧水をご紹介します。それぞれの化粧水の特徴やプロが注目したポイント、VOCEユーザーによる口コミなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
・混合肌
頬やフェイスラインはカサつくのに、額や鼻、あごなどのTゾーンはテカりやすいという混合肌にも、肌の油分と水分のバランスを整えるケアが必要です。うるおいと皮脂のバランスを整えてくれる効果のある化粧水でのお手入れをおすすめします。特に乾きが気になる部分には、化粧水を重ねづけするなどの保湿ケアを重点的に行うことで、肌全体の水分バランスが整い、トラブルを起こしにくい健やかな状態に導くことができます。
混合肌におすすめの化粧水
混合肌の方におすすめの化粧水をご紹介します。それぞれの化粧水の特徴やプロが注目したポイント、VOCEユーザーによる口コミなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
・敏感肌、ゆらぎ肌
敏感肌やゆらぎ肌は、乾燥などが原因となり、肌のうるおいが失われ、バリア機能が低下している状態です。そのため、外からの刺激やアレルギー物質、細菌などが侵入しやすい状態になり、敏感に傾きやすくなっています。秋冬だけでなく、毎日しっかりと保湿ケアを行って、肌のバリア機能を向上させることを心がけましょう。パラペン(防腐剤)やアルコール不使用、無香料・無着色などの低刺激設計の化粧水を選ぶのが理想的です。
敏感肌、ゆらぎ肌におすすめの化粧水
敏感肌・ゆらぎ肌への刺激が心配な方におすすめの化粧水をご紹介します。それぞれの化粧水の特徴やプロが注目したポイント、VOCEユーザーによる口コミなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
・毛穴
毛穴は、肌のたるみやキメの乱れによって目立つことがあります。保湿力はもちろん、ハリや弾力もケアできるような高保湿成分配合の化粧水を選ぶことをおすすめします。毛穴の詰まりや角栓は、「10-ヒドロキシデカン酸」などの角質ケア成分が配合された拭き取りタイプの化粧水を使って、しっかりと角質ケアをするとよいでしょう。
毛穴悩みにおすすめの化粧水
毛穴のひらきなどが気になる方におすすめの化粧水をご紹介します。それぞれの化粧水の特徴やプロが注目したポイント、VOCEユーザーによる口コミなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
・くすみ
くすみの原因は、乾燥や紫外線、肌のターンオーバーの乱れ、毛穴汚れなど複合的で、人によっても異なります。原因によって対処法も異なりますが、基本的には、化粧水で肌にたっぷりのうるおいを与えて乾燥を防ぎ、ターンオーバーのリズムを整えて、透明感あふれる健やかな状態に導くことが大切です。拭き取りタイプの化粧水で角質ケアをすることもおすすめします。
くすみにおすすめの化粧水
くすみでお悩みの方におすすめの化粧水をご紹介します。それぞれの化粧水の特徴やプロが注目したポイント、VOCEユーザーによる口コミなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
・ハリ不足
ハリ不足は、加齢によって真皮のコラーゲンやエラスチンが減ってしまったことが大きな原因となるので、コラーゲンを増やすケアが有効です。コラーゲンの生成を促す「ビタミンC誘導体」や「ナイアシン」などが配合された化粧水を選びましょう。「セラミド」などの高保湿成分配合の化粧水も、肌のハリを高める効果が期待できるのでおすすめです。
ハリ不足におすすめの化粧水
ハリ不足でお悩みの方におすすめの化粧水をご紹介します。それぞれの化粧水の特徴やプロが注目したポイント、VOCEユーザーによる口コミなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
化粧水を使う際の注意点
化粧水を使う際に、ついついやってしまいがちなNGポイントをまとめました。毎日、必ずつける化粧水をまちがって使ってしまっていたら、その効果を半減させてしまうどころか、反対に肌を傷めてしまう恐れがあります。化粧水を使う際のやってはいけないNGポイントをしっかりと確認しておきましょう。
敏感肌にできてしまったニキビには、アルコールフリーやオイルフリー、ニキビのもとを作りにくくするノンコメドジェニックテスト済みのものなど、肌への刺激が強くない処方のニキビケア化粧水を選ぶようにしましょう。さっぱりした使用感をもたらす「エタノール」や「メントール」も、敏感肌にとっては刺激になる場合があるので注意が必要です。
NG【1】:肌にこすりつける、肌を強くたたく
化粧水は、肌をこすらないようにして、やさしくなでるようにつけることが大切です。力は入れずに、肌にそっと触れるくらいの強さで、肌のすみずみまでなじませます。肌を強く叩いて押し込んだり、ゴシゴシとこすりつけたりすることは、肌への刺激となるので避けましょう。
NG【2】:化粧水の量が少ない
化粧水をコットンに含ませて使う場合は、500円硬貨大よりやや大きめに、コットンの裏側まで十分ぬれるくらいの量をコットンに含ませることが基本です。化粧水の使用量が足りないと、コットンの表面がパサついて毛羽立ち、肌に摩擦を与えてしまい、炎症を起こす原因になる恐れがあるので注意が必要です。手でつける場合にも、500円硬貨大くらいの量を目安にするとよいでしょう。
NG【3】:一度にたくさん付けすぎる
肌の水分浸透量には限界があるので、化粧水を一度にバシャバシャと大量につけても、すべてを浸透させることはできません。回数を分けて少量ずつを重ねづけする、コットンなどを使って細かな部分にも丁寧になじませることを心がけましょう。
NG【4】:塗り残しやムラがある
化粧水は、顔のすみずみまで、ムラなくなじませることが大切です。化粧水を適当に手に取って、パパッとのばしただけでは、肌に塗り残しやムラができてしまい、化粧水の効果を十分に発揮させることができません。回数を分けて少量ずつを丁寧に肌にのばし、肌が水分を含んで、ひんやりと感じられるまで浸透させることを心がけましょう。
NG【5】:フェイスパックやコットンパックの長時間使用
フェイスパックやコットンパックを長時間使用することは、肌に逆効果です。製品に記載されている推奨時間を過ぎるとシートが乾き始め、徐々に肌の水分も奪っていきます。長く使えば使うほど、肌にうるおいを与えるどころか、肌の水分を奪ってしまうことになるので、推奨時間を必ず守って使用しましょう。
化粧水の使い方に関するQ&A
Q1.化粧水が浸透しにくいときは?
いつも使っている化粧水が浸透しにくいと感じる原因は、肌が冷えたり乾燥したりして、硬くなっていることが考えられます。化粧水をつける前に、スチーマーや蒸しタオルで肌を温めると効果的です。
また、古い角質が蓄積して肌が硬くなっていると、化粧水が浸透しにくい場合もあります。拭き取り化粧水やピーリングなどで角質ケアをする、化粧水の前にブースター美容液などを導入するなどの方法で、肌をやわらかくすることも有効です。
Q2.サラサラ化粧水ととろみ化粧水で浸透具合に差は?
化粧水のテクスチャーには、サラサラ系ととろみ系の2タイプがあります。好みで選んで問題ありませんが、どちらを選ぶにしても、肌のうるおいを保持できる保湿成分がきちんと配合されたものを選ぶようにしましょう。
また、とろみ系は角層の乱れなど肌の状態が良くないと浸透しにくいことがあります。その場合には、先にサラサラ系の化粧水で肌に水分を与えておくと、浸透しやすくすることができます。
Q3.ハンドプレスすると手のひらに化粧品が吸収されそう!
手のひらは、水分を吸収しにくい構造になっているので、化粧水が吸収されてしまう心配はありません。手のひらは、表皮の厚みが顔の倍以上あるのに加えて、他の部分にはない非常に強固な層(透明層)が1枚はさまっているので、より水分を吸収しづらい構造になっています。そのためハンドプレスをしても、手のひらに化粧水が吸収されてしまうことはありません。
まとめ
肌の調子があまり良くない時、スキンケアのアイテムを見直すべきかなと考えてしまいがちですが、何よりも大事なのは、アイテムの使い方を見直すことです。普段、つけ方なんてまったく考えもせずに何気なく使っている化粧水も、そのつけ方をちょっと見直すだけで、肌はたっぷりのうるおいを含んで、グンと見た目にちがいを出すことができます。毎日、化粧水を正しく使って、透明感やハリに満ちた美肌を目指しましょう!
取材・文/地曳久美子
Edited by VOCE編集部
公開日:
この記事に登場したコスメ(9件)