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コラーゲンの真実|飲んでも食べても意味がない?正しい摂取方法は?【イケメンドクターの美容論vol.8】

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未病治療や健康増進のための医療を提供するイケメンドクターが、美容の“真実”を語る! 本当に美しくなるために必要なことを医学的観点から教えてくれます。

美とコラーゲンが密接な関係にあるのはご存知かと思います。
では、どうすればカラダに存在するコラーゲンを最上の状態に保つことができるのでしょうか? コラーゲン入りドリンク、コラーゲンサプリ、お鍋に入れるコラーゲンボールなど、コラーゲンを含む様々な食べ物を積極的に摂取すればいいのか、それとも?
今回はコラーゲン摂取について詳しく見ていきましょう。

コラーゲンとは

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そもそもコラーゲンとはなんでしょうか? コラーゲンは腱、骨、皮膚、軟骨など全身に存在するもの。「人間のカラダはコラーゲンでできている!」と言っても過言ではなく、カラダに存在する全タンパク質の約3分の1はコラーゲンなのです。

そんなコラーゲンの種類は約30種。骨や皮膚・血管などの弾力や強度に関与しています。皮膚や内臓を支える弾力性の源は、コラーゲンの特徴的な構造にあります。コラーゲンは「3本の鎖」で構成されており、それらが互いに巻き付いて、強固な三重らせん構造を形成しています。この構造こそが、きめ細やかな肌、弾力のある血管、丈夫な骨を作っているのですね。

コラーゲンと老化の深い関係

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コラーゲン線維の構造が乱れることは「老化」と密接に関係します。老化物質である「AGEs(エージーイー)」はらせん状に綺麗に配列されたコラーゲン線維の間に不規則に付着し、その配列を乱します。通常、古くなったコラーゲン線維は酵素で分解されて、新しいコラーゲン線維と置き換えられますが、AGEが結合したコラーゲン線維は酵素で分解されないため、機能が低下したコラーゲン線維がいつまでも残ってしまうことに。すると、真皮のコラーゲンの配列が乱れるだけでなく、皮膚の血流悪化や筋肉の萎縮などが進行し、シワやたるみの原因となります。

また、骨の老化にも密接に関係します。「骨はカルシウムでできているんでしょ」と考えている方もいるかもしれませんが、実はコラーゲンでできているのです。コラーゲンにカルシウムが付着することで「骨」が形成されているのですね。ですので、皮膚と同様に老化物質のAGEsは骨のコラーゲン線維の機能低下を招き、骨粗しょう症を進行させてしまうのです。

美しく、健康でいるためには「体内のコラーゲンを健康に保つこと」が大切になります。ではその方法とは? まず大前提として「摂取したコラーゲンがそのまま肌や骨の生成に使われる」という勘違いはまず正さなければなりません。

コラーゲンを摂ることの本当の意義

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コラーゲンは皮膚・骨・軟骨などの主成分であるため、それらを含む食品が「美容」や「骨・関節疾患に伴う症状の緩和」を目的として利用されています。コラーゲンを摂ることの是非は長い間議論されていますが、食品安全委員会によると、その有効性は確立されていないのです! コラーゲンをサプリや食品などでとっても、その他のタンパク質と同様に消化酵素によって“アミノ酸”や“コラーゲン・ペプチド(コラーゲンが細かく分解されたもの)”に分解されてしまうため、摂取したコラーゲンが体内でそのまま吸収され増えることはありません。美容にいいと謳われる「コラーゲンボール」も、その意味では直接的な美容効果はないと言えます。コラーゲンは熱を加えるとその特徴的な構造は完全に失われてしまいます。それを「ゼラチン」と呼びます。コラーゲンボールを鍋料理などで食べるのは、ゼラチンの塊を食べていることになるのですね。

摂取する意味はない!?

しかし、コラーゲンを摂取することに意義がないわけではありません。コラーゲンとして体内に入って有効性を発揮することはありませんが、分解されたアミノ酸が効果を発揮すると考えられているのです。コラーゲンを構成するアミノ酸は非必須アミノ酸が大部分であるため、栄養的価値としては低いのですが、他の食品成分にはほとんどみられない“ヒドロキシプロリン”や“ヒドロキシリジン”のようなアミノ酸を多く含みます。これらのアミノ酸はビタミンCと一緒になってコラーゲン線維の構造の安定化に寄与しています。また、関節炎などの炎症性の病気に関しては、これらのアミノ酸やコラーゲン・ペプチドが炎症反応を和らげると考えられています。

さらに、コラーゲンやヒアルロン酸などの美肌の材料を産生する“線維芽細胞”を増やすことで、間接的に美肌形成を促すと考えられています。つまり、摂取したコラーゲンが分解されたアミノ酸によって、肌のたるみやシワの改善につながると考えられるため、あながちに「コラーゲン摂取が意味ない」ということではなさそうです。

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また、コラーゲンと一緒に摂取したいのが「ビタミンC」。上述の通り、ビタミンCがないと、コラーゲン線維の綺麗な配列を保つことはできません。コラーゲンだけでなく、ビタミンCも一緒に摂取するようにしましょう。

以上、美とコラーゲンの関係について解説しました。コラーゲンを最上の状態に保つことが美と健康に直結します。コラーゲンが直接カラダに取り込まれることはありませんが、コラーゲン由来のアミノ酸が間接的にコラーゲン産生を活性化させていると考えられています。コラーゲン摂取のポイントとして、量をたくさん摂ることより、コラーゲン5〜10gを毎日、ビタミンCと一緒に摂取することをオススメします。

Edited by 中村 康宏

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