教えてくれたのは…
脳科学者
澤口俊之さん
人間性脳科学研究所所長。武蔵野学院大学・大学院教授。研究に邁進する傍ら、「ほんまでっか!?TV」(フジテレビ系)等TVにも多数出演。近著に「老いは脳科学的に素晴らしい」(幻冬舎)。
「マスク生活を逆手にコミュニケーション能力を鍛えよう」
感情の認知に関するある研究結果では、相手の感情を認知する際に重視しているのは欧米人の場合は顔の下半分、つまり口元、それに対して日本人の場合は上半分、目のまわりを重視しているそうです。マスクをつけているときに露出しているのは目元。だから我々日本人の場合、マスクで顔半分が隠れていても目元さえニコニコしていれば、相手に好印象を与えることは簡単。
さらに、マスクが日常になったことで、“言葉”でのコミュニケーションに重きを置く人も増えましたよね。そもそも人間が言葉でコミュニケーションを取ろうとする場合、前頭葉など脳のさまざまな部分が活発に働きます。これが脳にすごくいい。表現がどんどん上達していくのです。このように脳科学的には、マスク生活は私たちにとって恩恵ばかり。
ただし“外さない方がいい”というワケではありませんよ。いつか外す日がくれば、マスク生活の間に向上したコミュニケーション能力がさらに活かせますし、すっぴんでもOKなマスクに慣れてしまい、今は外すことを億劫に感じている人でも、ほかの人たちも一斉に外す場合には、短時間でその状況に慣れていく。だから何も怖がることなどないですからね。
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ネガティブな感情の受け入れ方は?
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