連載 僕はメイクしてみることにした

メンズ美容がテーマ!漫画『僕はメイクしてみることにした』作者が語る、自分を大切にするヒントとは?

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メンズ美容がテーマ!漫画『僕はメイクしてみることにした』作者が語る、自分を大切にするヒントとは?

38歳・独身男子である主人公、一朗がふとしたきっかけでメンズ美容に目覚めていく漫画である『僕はメイクしてみることにした』。単行本発売を記念して、作者・糸井のぞさんにインタビュー!

「メイク」がしんどい時がある!

糸井のぞさん

N o z o I t o i

糸井のぞさん

7月31日生まれ。2010年デビュー。女性誌、青年誌で活動中。主な著書に、『わたしは真夜中』(幻冬舎コミックス)、『真昼のポルボロン』(講談社)、『最果てから、徒歩5分』(新潮社)などがある。三度のご飯が好き。

メンズ美容がテーマだけれど性別問わず、自分を大切にするヒントにも満ちている!

38歳の独身男子・一朗がある日、ふとあまりに疲れた自分の顔に驚愕し、化粧水デビューを飾ることから始まるストーリー。人気漫画家、糸井のぞさんの手でコミカライズされ、女性たちからも大反響!

「主人公・一朗の存在が、読んでいる人の内面を映し出す鏡のようになればと思いました。いろんな価値観の登場人物に出会って、どう感じ、どう行動に出るのか? 美容を通して自分自身と向き合うことの尊さ、自分を丁寧に扱うヒントを描けていたら」と語る糸井さん。

世間でもてはやされる“メンズ美容”というコピー、トレンドと現実のギャップも繊細に描かれていて、思わず自分ごととして入り込んでしまうストーリー展開に。今さら聞けないスキンケアのハウツー情報もてんこ盛りのうえ、登場人物のバリエーションも素晴らしい。例えば、ビューティ=ときめきをもたらす至高の趣味とする、一朗のメンター的存在・タマちゃん、世間の“男らしさ”に縛られて窮屈に生きる男友だち、様々な経験を経てメイクはしないと決めた同僚女性など、美容に対する価値観のるつぼのよう。また、その人々の内面には深く立ち入らない描き方も、一朗になり切って読めるポイントの一つ。何より、読み進めるほどに一朗の受容力の深さや性格の素直さが光って見える。自他の境界線を持ちながら、相手へのリスペクトを忘れない。そんな大人になりたいと思うはず。

「自分をいたわり、満たすことが基本的な美容行為の目的だと思うんです。まずは自分です。例えば、美容をきっかけに、日々、自分をご機嫌にしてあげる。他人の言葉にちょっと傷ついた、無視されて悲しかった、とか、気持ちの反応を丁寧に確認することが、自分を大事にすることにつながるのではないでしょうか。美容はセルフイメージを確立するためにも有効です。読者ひとりひとりが自分を主人公として捉えられるように、工夫しました」

「キレイになりたい」のモチベーションを他者からの褒め言葉や称賛より、自分のときめきや高揚感、心地よさに置けるようになれば、今よりずいぶん楽しい人生が待っているのでは? そう期待させてくれる新しい美容コミックです。

僕はメイクしてみることにした

『僕はメイクしてみることにした』
糸井のぞ(著)
鎌塚 亮(原案)
¥1177/講談社(ワイドKC)

アラフォーの主人公が自分の疲れた顔に絶望し、美容の世界に足を踏み入れる。スキンケアとメイクをめぐる冒険の中で、様々な人と出会い、いろいろなことに気づいていく。

構成/藤本容子

Edited by 大森 葉子

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