ポイントメイクにはこまめなアップデートが必要
アイシャドウを塗って、アイラインを引いて、最後はマスカラで仕上げる。これがアイメイクのおおまかな流れ。でもその方法、若いときに覚えたことをそのまま繰り返していませんか? 顔の印象がなんだかパッとしない、ちゃんとメイクしているはずなのに素顔との差があまりないから、もうメイクする必要を感じない。そんなあなたは、ポイントメイクのアップデートを忘れているのかも。
「青春時代に覚えたメイクをそのまま引きずってしまっている人、よく見ます。なんでアイシャドウを塗るのかというと、目もとのくすみを解消して立体感をつくるためですよね。10代や20代なら個性を出すためにメイクすることもあったかもしれない。でも大人の女性にとってのメイクは、“素敵に”見せるための手段だと思うんです」と室岡さん。
好感度の高さを狙うなら、目もとは断然ブラウン!
「アイシャドウで選ぶべきは肌なじみのいいベージュやブラウン。でもブラウンとひとことで言っても、その仕上がりはものによって全然違います。パールたっぷりの白ベージュをまぶたに広範囲にのせると、腫れぼったく見えて悪目立ちしてしまうし、マットな質感の濃いブラウンも入れ方次第ではあか抜けない印象になってしまいます。まぶたにのせても浮かないのは、肌色の延長にある色。シャンパンゴールドやベージュ、オレンジ、ほんのり赤みのあるブラウンなども、素敵なまなざしをつくるのにオススメの色です。どれもあまり広範囲に入れず、二重幅を少しオーバーするぐらいにサッと塗るのがポイント。そしてグラデーションは禁止! 単色塗りでサラッと仕上げるのが、いまっぽさの鍵となります」
「どんな肌色にも似合う中間色です」
ヴィセ リシェ マイヌーディアイズ BE-3 ¥1200(編集部調べ)/コーセー
「肌になじむ色と質感で、どんな場面でも好感度の高いメイクに仕上がります」
アイグロウ ジェム BR380 ¥2700/コスメデコルテ
大人になったら見せるアイラインからは卒業!
年齢を重ねるにつれて、目が小さくなったと感じる女性も多いよう。これは錯覚じゃなくて事実。目のまわりの筋肉が衰えることでまぶたが下垂してしまうのがおもな原因です。
「下垂によって二重幅が狭くなるのも、目ヂカラ低下の原因ですね。この状態でアイラインを太く入れてしまうと、変な引き締め効果でより目が小さく見えてしまうんです。アイラインは、まつ毛の根元をつなげるようなイメージで細く入れるのが正解。まつ毛が密集しているな、と思わせることができればいいんです。目を大きく見せたいなら、ラインや色による強さではなく、マスカラを丁寧に塗るほうが効果的。しっかり根元からまつ毛を上げることで、縦に大きく見せることができるわけですから」
選ぶべきは、好感度上げ間違いなしのサーモンチーク
「黄ぐすみが出がちな大人の肌を美しく見せるのは、コーラルのチーク。赤すぎても重たく見えるし、明るいピンクはくすみを増長させてしまうこともありますから。でも誰にでも似合って、好感度の高い顔立ちになれる色というと、やっぱりサーモンカラーだと思います。コーラルとピンクの間、王道の美人色ともいうべきカラーです」
「ピンクとオレンジのいいとこ取りをしたような絶妙なカラー」
エレガンス ブリス オーラ OR202 ¥7000(セット価格)/エレガンス コスメティックス
「とてもフレッシュな印象に仕上がるオレンジピンク」
アディクション ザ ブラッシュ エモーショナル ¥2800/アディクション ビューティ
「ベージュを含んだオレンジ。鮮やかすぎない色づきで、トーンが落ちないところが使いやすいと思う」
ルナソル カラーリングシアーチ―クス 08 ¥5000(セット価格)/カネボウ化粧品
真顔を笑顔に見せるチークの入れ方をマスターして
「チークを入れる一番の目的は、笑ってなくても笑って見えるようにすること。あとは血色をよく見せる、頬の位置を正しい位置に見せることも大事ですよね。入れ方としては、まず笑顔をつくってできるだけ頬骨を高くします。一番高くなったところが、チークの色をのせる起点となります。その点を狙い、チークを含ませたブラシを顔の内側&少し上目から当てるようにします。
顔の正面から当ててしまうと、真顔になったときに頂点が落ちてしまって意味がありません。そこから頬骨の高いところを通って少しななめ上方向にブラシを動かします。これがチークを入れる範囲。こめかみに向かって急角度で上に入れ過ぎるときつい顔になってしまうので注意が必要ですが、血色が出るように調節しながら、チークカラーをのせてみてください」
“ちょっと濃いめ”が大人リップの極意
リップは、第一印象を変えるもっとも簡単なアイテム。無難だからとピンク系やベージュ系ばかりつけていたらもったいない!
「赤リップが流行してから数年たちますが、まだまだその人気は継続中のようです。濃い色の口紅は顔色をパッと明るく見せるし、美人度もアップして見えますから、大人の女性にはぜひチャレンジしてもらいたいところ。今年の夏は青みピンクやローズ、オレンジ系なども人気のようなので、レパートリーに加えてもいいのでは?」
マットな仕上がりの口紅がはやっていますが、挑戦してみてもいいですか?
「きっちり輪郭を取ってべったり塗ってしまうと、どうしても老けて見えるのがマットリップ。指塗りなどでポンポンとラフに塗るなら、取り入れてみてもいいかもしれません。でもやっぱり大人の女性の肌を美しく見せるには、ほどよいツヤ感が必要だと思います! とはいえ、グロスでギラギラ、テラテラさせてしまうと、シーンによっては浮いてしまうかも。口紅だけでツヤが出るのが理想の仕上がりではないでしょうか」
「今っぽくフェミニンな印象になる青みピンク。大人にこそ、使ってほしい色」
リップスティック P-06 ¥3200/マリークヮント コスメチックス
「色づきはナチュラル。肌もキレイに見えます」
ルージュアレーブルn 18 ¥6000/クレ・ド・ポー ボーテ
「去年の限定発売だったのが、大人気のあまり定番になったという色。太陽の光がよく似合う、夏らしいブラウンオレンジ」
ラプソリュ ルージュ C76 ¥4000/ランコム
手元にあるから、まだなくならないからと手持ちのコスメを使い続けていませんか?
この機会にセルフメイクを見直して、自分のいまの顔立ちに似合っているか、いまの時代に合っているかをチェックしてみるといいかも。
教えてくれたのは……
室岡洋希さん
ヘア&メイクアップアップアーティスト。ファッション誌やビューティ誌のメイクページで活躍、女優やモデルからの指名も多数。「品格ある大人メイク」の達人として、幅広い層の女性から支持を集める。理論的かつ難しすぎないアドバイスが大好評。
Edited by 穴沢 玲子
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