No.6 THE HIEROPHANT(教皇)のカード
「人として正しい方向へと導き、精神面での助言を与えてくれる」
今回、タロットの5番目のカードは、「THE HIEROPHANT」(教皇)。教皇とは神託を司る最高権力者であり、神と人々を結ぶ存在です。人として正しい生き方を教え、人々の苦しみや悩みを救済し祝福を授ける役割です。
4番目の「皇帝」のカードが現実社会を統治する存在であるのに対して、5番目の「教皇」は、人々の精神面に影響を与える存在。この二つは対になって、人々の生活と心の両面を支配しているわけです。そんな背景を理解しつつ、このカードを読み解いていきましょう。
「教皇」と言われても、日本人にはあまりなじみがありませんよね。現代的にもっとわかりやすく解釈するなら、いわゆる「メンター」という存在だと理解すると、その意味がよりイメージしやすくなると思います。メンターとは、日本語にすると「よき指導者や助言者」。悩みや迷いが生じたときに、進むべき方向性や考え方を教えてくれるアドバイザーです。
たとえば、現代ではカウンセラーやヒーラーという人たちが、それにあてはまるでしょう。さらに僧侶、牧師や神父といった聖職に携わる人、教師や医師といった職業の人も広い意味ではメンターに入るといっていいかもしれません。私たちの心を癒し、つらいときには励まし手を差し伸べてくれ、間違った方向に行きそうになったら正しい道を説き、教え導いてくれる存在。それがこのカードを象徴する意味だといえるでしょう。
そう考えると、このカードを引いたときは、自分にとって特別なメッセージが込められているような気持ちになりませんか。もし、恋愛に関する事で、このカードが出たら、自分にとって精神的な支えになる恋人ができると受け取ることもできるでしょう。愛する人の気持ちをもっとよく考えなさいという助言だと解釈することもできます。仕事について占ったときこのカードが出たら、何か落ち度がないか細かい部分までしっかり確認しなさい、という忠告かもしれません。
いずれにしても、自分よりはるかに物事の善悪や真理がわかっているメンターからのメッセージだと思って解釈すると、このカードから教えられるものは深く心に残るのではないでしょうか。どうです? 「THE HIEROPHANT」(教皇)のカード、引いてみたくなりませんか。
このカードは、占う人にとって必要だと思われる絶好のタイミングで現れ、最高のアドバイスを示してくれる、そんな心のよりどころになるカードなのです。
文/グロリアス星子 イラスト/サクマラン
Edited by VOCE編集部
公開日:
この記事に登場したプロ