目次
1.美白有効成分の種類やはたらきをドクターに聞く!
「美白有効成分」ってご存知ですか? その種類や、メラニンの生成を抑え、シミやソバカスを防ぐメカニズムを見ていきましょう。
【教えてくれるのは】
ウォブクリニック中目黒 総院長 髙瀬聡子先生
皮膚科&美容皮膚科を専門とし、美容医療の最先端治療から化粧品の選び方、毎日のスキンケアの方法まで、豊富な美容知識を持つ。その人の肌状態に合わせたセルフケア提案に定評あり。
【常識1】美白化粧品にはどんな働きがあるの?
美白化粧品の働き
紫外線によるシミ、ソバカスのもととなるメラニンの合成、代謝にはさまざまなプロセスがある。そのプロセスで起こる作用に着目し、各過程でブロックするように開発された有効成分を配合しているのが医薬部外品の薬用美白化粧品。
【★プロセス1でブロック】
メラニンをつくれと指令を出す物質を抑制
紫外線に当たると“メラニンをつくれ”という指令を出す情報伝達物質に働きかけ、指令をブロックすることでメラニンのもとをつくらせない。
【★プロセス2でブロック】
メラニンに変える物質=チロシナーゼを抑制
チロシンを黒色のメラニンに変化させる酵素チロシナーゼを分解したり、チロシナーゼに先回りして合体し、その働きを効率的に抑制する。
【常識2】美白化粧品を選ぶなら?
美白有効成分をチェックして選ぶ
美白有効成分とは、厚生労働省により「メラニンの生成を抑え、シミやソバカスを防ぐ」効果と安全性が認められた成分。さまざまなアプローチでシミができるプロセスに働きかけるので、美白有効成分が配合された医薬部外品の薬用美白化粧品は、それぞれの効果をチェックしてから選ぶと美白ケアに成功する。
美白有効成分
【プロセス1でブロック】
メラニンをつくれと指令を出す物質を抑制
☑ カモミラET
カモミール(カミツレ)の葉から抽出した成分。情報伝達物質エンドセリンを抑制し、メラノサイトの増殖や活性化を抑える。
☑ トラネキサム酸
抗肌荒れ成分として認可された後、情報伝達物質プロスタグランジンをブロックし、メラニン生成を抑制する効果が認められた。
☑ t-AMCHA
大豆や卵黄から抽出。情報伝達物質プロスタグランジンの生成を抑え、メラニンの生成指令を止める。抗肌荒れ効果も。
☑ m-トラネキサム酸
“m”はメラニンの生成を抑える効果を表す。シミ部位の慢性微弱炎症状態に作用し、メラノサイトの活性化を抑制する。
☑ TXC
トラネキサム酸セチル塩酸塩の略。複数の情報伝達物質にアプローチし、正常なメラニン生成を目指す。
美白有効成分
【プロセス2でブロック】
メラニンに変える物質=チロシナーゼを抑制
☑ アルブチン
コケモモに含まれる成分。チロシンとチロシナーゼの結合を阻害し、過剰なメラニンの生成を抑えてシミ、ソバカスを防ぐ。
☑ エラグ酸
ポリフェノールの一種。コウジ酸と同様、チロシナーゼの活性化に必要な銅イオンを奪うことで、メラニンの生成を抑える。
☑ プラセンタエキス
動物の胎盤から抽出。古くからメラニン生成を抑制する作用があるといわれ、有効成分としても活用されてきたが、不明な点も多い。
☑ ルシノール
シベリアのモミの木に含まれる成分。メラニン生成のプロセスであるチロシナーゼとチロシンの合体を防ぎ、メラニンをつくらせないようにする。
☑ ビタミンC誘導体
もっとも歴史のある美白有効成分。チロシナーゼを抑制する効果に加え、メラニンに対する還元作用を持ち、黒色を淡色化する作用も。
☑ コウジ酸
麴由来の成分。メラニン生成に関わる酵素チロシナーゼが働くのに必要な銅イオンを奪いとる作用で、メラニンの生成を抑制する。
☑ リノール酸S
紅花由来の成分。チロシナーゼを分解することでメラニンの生成を抑制。さらにターンオーバーをサポートし、メラニンの排出を促す。
☑ 4MSK
サリチル酸の誘導体。チロシナーゼの活性抑制効果に加え、シミ部位の慢性的な角化エラーにも作用し、たまったメラニンを排出する。
☑ マグノリグナン
モクレン科ホオノキに含まれるポリフェノールをヒントに開発。チロシナーゼの成熟を阻害し、メラニン生成に関与する量を減らす。
イラスト/ちばあやか 取材・文・構成/寺田奈巳
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