教えてくれたのは…
NPO法人ママプラグ
冨川万美さん
東日本大震災の母子支援を機に、子連れや家族のための防災を啓発するためにNPO法人ママプラグ設立に携わる。被災体験を元にした「アクティブ防災」を、セミナーやイベントなどを通じて提唱している。
災害時に「防災コスメ」は必要? 【命を守る備え】【生活を守る備え】二つの基準で考えて
被災したときのことを想像して、まず大事なのは身の安全を確保して命を守ること。その後に、どうやって生活を取り戻していくのかを考えながら防災コスメをチョイスして。
「防災グッズは【命を守る備え】と【生活を守る備え】に大別されます。たとえば食料や水、防寒具などサバイバル要素が強いのが【命を守る備え】。一方、衛生用品や携帯電話用のバッテリーなどは【生活を守る備え】です。防災コスメについては【生活を守る備え】として考えてみましょう。避難時は、普段の生活ができないことでストレスを感じるもの。コスメもそうですがストレスを軽減できる『好きなものに囲まれている』状況をつくるものを用意しておくことも、災害に備える考え方のひとつです」(冨川さん)
被災したらどんな生活になるのか? 最低2〜3日間は避難生活ができる準備を
「被災した場合、近くの避難所で過ごすことを想定しがちですが、自宅で過ごす場合もあれば、親類や友人宅で過ごすことも。ライフラインが復旧するまでほかの地域に移動するなど、選択肢はさまざまだということを念頭に。どんな場所に身を寄せることになるのかで、生活も変わってきます。避難生活の期間としては、安否確認が取れるまでの2~3日ほどをひとまずの目安にして、身を寄せる場所はどこなのかを想定しておきましょう」(冨川さん)
「防災コスメ」とは、ストレスフルな環境でメンタルを守るために必要なもの
非常時のスキンケアやメイク。こんな大変なときに、美容に気を配っていてもいいのかと不安になりそうな気も……。
「避難所で過ごす場合、プライベートな空間はほとんどありません。当然ながらメンタル的に落ち着いて過ごすことは難しい状況ですよね。とはいってもスキンケアをしたから、メイクをしたからといって白い目で見られたり、迷惑と感じる人はほとんどいません。災害時の美容はメンタルを保つためにも必要なことですよ」(冨川さん)
まず、災害時に持ち出す防災バッグの用意を
【命を守るための最低限の備え(最低3日間分)】
「持ち出し用の防災グッズは、ライフラインが止まる規模の災害を想定して一週間分の備蓄が目安になっています。とはいえ一週間分ともなれば、かなりのボリュームになるのでハードルが高く難しい場合もありますよね。ひとまずは最低3日間分を想定して、自宅でも避難所でもしのげるような備えをしておきましょう。また、災害時は情報がカギに。スマートフォンを充電するためのモバイルバッテリーは必須です」(冨川さん)
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防災コスメ、何をそろえるべき?
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