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成分が同じなら効果も同じ?原液は濃度が高い?【美容成分】の真実

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成分が同じなら効果も同じ?原液は濃度が高い?【美容成分】の真実

化粧品メーカーで長年開発を担当し、そこで得た広く深い知識を持つ岡部さんに、知っているようで知らない化粧品の真実を教えてもらいました。

今さら聞けない! 化粧品の裏側【ウソ】OR【ホント

化粧品メーカーで長年開発を担当し、そこで得た広く深い知識を持つ岡部さんに、知っているようで知らない化粧品の真実を教えてもらいます。

私が答えます!
岡部美代治さん

ビューティサイエンティスト

岡部美代治さん

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同じ成分でもメーカーによって呼び名が異なることがある

【ホント】化粧品と医薬部外品の表示名称が統一されていない

化粧品と医薬部外品の表示名称が異なることがあります。それはルールを定めている機関が違うため。化粧品は原則、日本化粧品工業連合会が作成するリストを用いて記載。一方、医薬部外品は、厚生労働省に薬事申請した名称で表示。その2つの間で名称が統一されていないだけ。表示名称は違えど働きは一緒なので、気にしなくてよいと思います。

同じ成分が配合されていたら大体同じような効果が得られる

【ウソ】成分が同じでも処方次第で別ものになります!

成分表示表の並びは、化粧品に1%以上含まれる成分は濃度が高い順に並び、それ以外の順は自由です。医薬部外品は、有効成分以外を表示する義務はありません。ということは、成分表に同じ成分が同じ順で並んでいても含有量は異なるため、効果にも違いが。たとえ同じ成分でも、処方が変われば効果はまったく違うものに。

無添加と謳うための明確な基準はない

【ホント】安全性を訴求するイメージ戦略の用語です

無添加は、2001年に化粧品の全成分表示が義務づけられる前に、アレルギーを起こす可能性がある成分などを含まないという安全性をアピールするために使われるようになったキーワード。無添加の“敵”とされる成分の中には“濡れ衣”も多く、ミネラルオイルや界面活性剤がその“被害者”。現代の化粧品は人体に悪影響がないようにつくられています。

添加物は肌に悪影響を与える

【ウソ】すべての添加物を悪とするのは大きな間違い

無添加か、そうでないかが安全性の基準のようにとらえられがちな風潮に疑問を感じます。その価値観が消費者の“思考停止”の要因となり、化粧品の本質を見極める妨げになるからです。添加物は品質を保証するために必要なので、安全性を配慮して配合されています。無添加は必ずしも安全を保証するものではないことを理解しておくべきでしょう。

植物由来の成分は化学成分よりも安全である

【ウソ】化学合成成分は安全性が検証されている!

植物成分には、すばらしいパワーを秘めているものが多くあります。ただ、それが安全面や敏感肌によいということには直結しません。特に天然由来の植物成分は、ワイルドな魅力がマッチすればよいのですが、肌のコンディションによってはアレルギーの原因となることも。化学的に生成された合成成分のほうが純度や性質などの規格値が安定しています。

原液コスメ100%有効成分でできている

【ウソ】100%有効成分ではないけれど、濃度が高いものも

原液コスメに明確な定義は存在せず、濃度に関してはメーカーや製品によって異なります。固形や粉末状の原料(有効成分100%)の使用感や効果を高めるために、水をはじめいろいろな成分を含んでいるので、100%有効成分ではありません。真摯に製品づくりに行うメーカーのものであれば、濃度の追求に有効性が期待できるものもあります。

\人気の美容成分を一気見!/

撮影/藤本康介(静物)、市谷明美(切り抜き) 取材・文/金子優子 構成/河津美咲 監修/岡部美代治

Edited by 河津 美咲

公開日:

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