お話をうかがった方
精神科医、作家
樺沢紫苑先生
SNSを通して精神医学や心理学、脳科学の知識をわかりやすく情報発信し、YouTube「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」が大好評。
Q.自分を好きになるにはどうしたらいいですか?
りんたろー。さん(以下、敬称略)「以前の僕は、周りにいるお笑いモンスターたちと自分を比べては自信をなくしていたし、人と比べては『僕なんて』っていつも思っていたんです。だからあまり自分のことを好きにはなれませんでした」
A.自分へのネガティブな発言でもストレスホルモンが! 「今の自分が最高!」と唱えましょう
樺沢紫苑先生(以下、樺沢先生)「日本人にはそういう人が多いんです。自己肯定感の回でもお話をしましたが、日本人は自己肯定感が低い人が大半。自己肯定感が低いと自分の悪いところばかりに目がいくので、自分のことを好きになれないという人が多くいます。そういう人は誰かと比べて『僕なんて』という言葉をよく使うんですね。この『僕なんて』は、自分に対して自分の悪口を言っているのと同じこと。『自分はダメだ』『私なんて』と口グセのように自分を卑下しています。
言葉は脳に直接影響を及ぼすので、自分に向けてネガティブな言葉を発するたびに、脳からストレスホルモンが出てストレスを感じます。さらに他人に対してと同じように、自分に対しても悪口を言うと興奮系の脳内物質アドレナリンが出て、疲れやすくなるんです」
りんたろー。「『僕なんて』と思うだけで、脳内物質が反応するなんて驚きです!」
樺沢先生「逆に自分をほめたり、「私って最高!」とポジティブな言葉を発する、脳からは幸せの回で紹介した、幸せになるための脳内物質セロトニンやドーパミンが出て、楽しい気分になります」
りんたろー。「人の悪口を言ってはいけません、って教わってきたけど、自分に対しても悪口を言っちゃダメなんてはじめて知りました。否定的な言葉って得なことはひとつもないんですね」
樺沢先生「そうです。『ダメだと』思っていると、どんどんやる気がなくなって本当にダメになってしまいます。自分に対してポジティブな言葉を投げかけると、脳からドーパミンが出て、集中力が発揮されて脳の機能もアップしますよ」
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「私って最高!」の効能