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エフシージー総合研究所
フジサンケイグループの調査研究機関。商品テスト、商品研究、テレビ番組の撮影協力等。
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使いやすくてしっかりガードしてくれるのはどれ? 本命UV下地ガチ検証!
強烈な紫外線だけでなく、大量の汗や皮脂、そしてマスクこすれまで立ちふさがる真夏のUV対策。美肌キープの頼もしいサポーターを探すべく、人気ブランドのUV下地10品で実験をスタート。プロテクト効果やトーンアップ効果、保湿力など、さまざまな項目から使いやすい一品を探そう。
【TEST.1】テクスチャーは?
UV下地をボードにのせて垂直に立て、30秒経ったあとにどれぐらい変化しているかを観察。長く垂れるものは粘度が低く、動かないものは粘度高め。好みの質感は?
01:アルビオン
02:イヴ・サンローラン
03:イプサ
04:エスプリーク
05:オルビス
06:カバーマーク
07:スキンアクア ネクスタ
08:SUQQU
09:ソフィーナ iP
10:ディオール
この中でもっとも粘度が低く、サラッとしたテクスチャーなのは02。04、03も美容液のようなゆるい質感。それに対し、01と05、08はまったく動かず。濃厚なクリームのようなテクスチャーで、こっくりしている。
【TEST.2】のばしやすい?
化粧品や塗料などを一定の厚さでのばすための道具を使用。同量のUV下地をのばしたときの状態、のびが均一かどうかもチェックしてみよう。
01:アルビオン
02:イヴ・サンローラン
03:イプサ
04:エスプリーク
05:オルビス
06:カバーマーク
07:スキンアクア ネクスタ
08:SUQQU
09:ソフィーナ iP
10:ディオール
最後まで途切れることなく、長くのばせたのは02、03、07、09、10の5品。07、10は粘度が高いこともあってか、ややムラが見られる。01や08、05は粘度高めのこっくりタイプなので、のばしやすさはイマイチ。
【TEST.3】保湿効果は?
前腕の内側にUV下地を塗り、塗布前、60分後の水分量を測定し変化量をグラフ化。数値が高いほど水分量が増えた、つまり保湿力が高いということ。もっとも乾燥しにくいUV下地は?
塗ってから乾燥を感じにくいUV下地は、09と10が同率1位、01が3位、05、06、08が同率4位。04や02はこの中ではさっぱりタイプ。肌質やその日の気温、湿度に合わせて使い分けるのもよさそう。
【TEST.4】UVカット効果は?
紫外線に反応して色が変わるシールの上に、UV下地を塗布したガラスを置き、紫外線を照射。シールの色を測定し、塗布しなかったときと比べたときのUVカット率(%)を算出。大事なプロテクト効果をチェック!
(1)普通に塗ったとき (2)水に濡れたとき (3)モデル皮脂を塗布したとき (4)こすったとき
普通に塗ったときは高い防御率があっても、水に濡れたり皮脂が出たり、摩擦が起こったときに下がるものは要注意。水や皮脂などさまざまな試練があっても鉄壁のUVカット力を誇るのは03。02も変化が少ないし、04や06、07も大きく下がることはなかった。実験の条件どおりの場面が必ず起こるとは限らないけれど、お直しの頻度の目安にしてみて。
【TEST.5】ベタつかない?
UV下地を肌模型に塗布し、星型のシュガーをつけて落としたときの残量を観察し、ベタつきをチェック。
01:アルビオン
8枚のシュガーが付着。こっくり質感のわりには、ベタつかない。
02:イヴ・サンローラン
6枚と、かなり少ないほう。ゆるめのテクスチャーでサラリと。
03:イプサ
それほどベタつかず、残ったシュガーは6枚。10品中ではサラリ。
04:エスプリーク
10品の中ではもっともベタつかず、残ったシュガーはたった1枚!
05:オルビス
13枚とシュガーの数はやや多め。クリームのような質感だから?
06:カバーマーク
こっくり質感ということもあり、残ったシュガーは多めで13枚。
07:スキンアクア ネクスタ
10枚のシュガーが残った。この中ではサラッとしているほうだ。
08:SUQQU
10品中2番目に多い15枚のシュガー。クリームタイプだからかも。
09:ソフィーナ iP
15枚とかなり多いシュガー残数。ベタつきがちな下地といえる。
10:ディオール
残ったシュガーの数は16枚とナンバーワン。かなりベタつきあり。
【TEST.6】白浮きしない?
黒色の人工皮革にUV下地を塗布したときの様子を観察する。「UV」の文字がくっきり見えるのは白くなりがちなタイプ。でも肌色補整力があるということなので、そのあたりも考慮を。
01:アルビオン
どこに塗ったかわからないぐらい透明に。まったく白浮きしない!
02:イヴ・サンローラン
はっきり文字がわかるほど白い。肌色を明るくする効果はありそう。
03:イプサ
ほんのり白っぽく文字が浮き出ている。肌色補整するタイプだ。
04:エスプリーク
下地としての効果が高いようで、かなり文字が白く出てくっきり。
05:オルビス
わずかに白っぽい文字が見えるぐらいで、ほとんど透明なタイプ。
06:カバーマーク
塗ったところがわからないぐらいに透明。白浮きはまったくしない。
07:スキンアクア ネクスタ
トーンアップと謳うだけあってかなり白く。肌色補整効果ゆえか。
08:SUQQU
やや白っぽさが出る感じ。肌色をほどよく明るくしてくれそう。
09:ソフィーナ iP
「UV」の文字がまったく見えないぐらい。まったく白浮きせず。
10:ディオール
かなり白っぽくなった。肌色補整効果のある下地といえる。
【TEST.7】肌色を明るくする?
肌模型にUV下地を塗布したときの色を測定。塗っていない肌模型の色を100として算出、数値が大きいほど、明るいとみなす。肌色を明るくする下地効果の高いもの、肌に溶け込み透明になるものなど、好みのタイプを見つけたい。
数値が高いほど、肌を明るくする効果の高いUV下地。10品の中でトーンアップ効果が高いのは04。さらに07が続き、02、03、10が同率3位という結果になった。01や06、09は色がほぼかなり自然な仕上がり。UV下地に望む効果によって評価も変わりそうだ。
【TEST.8】水や皮脂をはじく?
ベージュの人工皮革にUV下地を塗布し、水(青色)とモデル皮脂(赤色)を滴下したときの状態を観察する。しっかりはじくものは水や油に強く、逆にだらっと広がるものは水や汗に弱いため、くずれの原因になりそう。
01:アルビオン
水、皮脂ともに広がってしまった。とくに水に弱いのか、UV下地となじんでいるところもあり、要注意。
02:イヴ・サンローラン
水はこんもりとしていて、ちゃんとはじいているのがわかる。皮脂はだらっと広がってしまい、なじみ感も。
03:イプサ
水も皮脂も広がってしまった。UV下地となじんでいるわけではないが、水・皮脂に弱いタイプのようだ。
04:エスプリーク
水は球状に近い形状になっているので、ちゃんとはじいている。皮脂ははじくほどではないけど、耐えている。
05:オルビス
水も皮脂もばっちりはじいている優秀アイテム! 皮脂や汗が出てもなじむことなく、しっかり耐えてくれそう。
06:カバーマーク
皮脂も広がってしまっていて、水にもかなり弱そう。縁が少しUV下地となじんでいるのが見てわかる。
07:スキンアクア ネクスタ
水、皮脂ともにかなり広がってしまった。縁が少しUV下地となじんでいるようなところもあり、注意が必要。
08:SUQQU
UV下地と混ざり合うようなことはないけれど、水滴と皮脂、どちらも広がってしまった。やや弱いタイプだ。
09:ソフィーナ iP
皮脂はしっかりはじいているものの、水滴はだらっと広がってしまい、UV下地と混ざって色が濁った感じも。
10:ディオール
皮脂とは混ざらずはじいているけれど、水はUV下地と混ざり合い、濁った感じに。汗や水には弱いタイプ。
【TOTAL】総合評価
01:アルビオン
こっくり質感で保湿効果もバッチリ!
コクのあるクリームタイプ。薄いピンクだけど、肌にのばせば透明になり、白浮きすることもなし。10品中3位と保湿力も高いので、まさにスキンケア感覚で使える一品といえるだろう。こすれには強いけれど水によってUVカット効果が薄れる可能性はある。また時間経過でくすみやテカリも出てくることがあるので、日中の化粧直しのときに塗り直すなどのケアは必要になりそう。
02:イヴ・サンローラン
明るくトーンアップして軽やかに紫外線カット
シャバシャバとしたかなりゆるいミルクタイプ。力を入れずにスルスルと薄く広げられるけれど、どこまでものびてしまうので、ある程度でタッピングしたほうがよさそう。肌を明るく見せる効果があるので、メイク下地の機能も十分。ほどよくカバー力があるので、少しの色ムラなら気にならないレベルにしてくれそう。時間経過で見た目やUVカット効果がそれほど変わらないのも優秀。
03:イプサ
変わらぬUVカット効果で夏の日差しをブロック!
水、皮脂、こすれがあっても紫外線カット効果がほとんど変わらなかった優秀UV下地! ゆるくてなめらかなミルクタイプで、のばし広げるのも簡単。自然にトーンアップしてくれるので、メイク下地としての効果はバッチリ。逆にスキンケアのようにたっぷり塗るとモロモロする可能性があるので、量に気をつけつつなじんだらあまり触らないようにしたい。ヨレも出るので注意して。
04:エスプリーク
No.1のトーンアップ効果! なじませたあとはサラリ
10品の中でもっとも肌色を明るくしてくれる。ミルクテクスチャーでサラッとしてベタつかない塗り心地なので、メイクアップベースとしても使い勝手がいい。汗や皮脂が出てもUVカット効果はそれほど変わらないけれど、こすれで少し低下してしまう。くずれが少ないのでテカリやヨレは気にならなくても、マスクなど物理的な摩擦があるなら、UVのお直しはしたほうがよさそうだ。
05:オルビス
スキンケア感覚で使えるこっくりクリームUV
なめらかな感触のクリームタイプ。ほぼ色はつかず、ほんのり明るくなるぐらいで肌色にしっくりなじむ。保湿力も4位と高めなのでスキンケア感覚で使えるぶん、下地としての肌色補整力は低い。汗や皮脂が出てもなじむことはないけれど、テカリは出てきてしまいそう。ベタつきもあるので、オイリー肌の人が使うときには、オイルコントロールアイテムを併用するなどの工夫をしよう。
06:カバーマーク
心地よく使えてあと肌はしっとり
なめらかでコクのあるクリームタイプ。薄いオレンジベージュの色みだけど、肌にのばすと色はつかずにスッとなじむ。保湿力が高いので、スキンケア感覚で取り入れたいUVケアといえる。塗ったあとはベタつきを感じやすいため、肌によくなじんでからメイクしたい。汗や皮脂が出るとヨレが出てしまうこともありそう。メイクとともにUVケアのお直しをして防御力を高めたい!
07:スキンアクア ネクスタ/ロート製薬
青みピンクの色みで透明感がグッと高まる!
クリームのように重さのあるミルク質感だけど、のびは悪くないのでストレスフリーで塗れる。特徴的なのがそのカラー。ほんのり青みがかったピンクで、色ムラをカバーする効果あり。トーンアップ効果がしっかりあるタイプで、肌トーンを変えたい人にとって使い勝手のいいUVケアだ。汗や皮脂が出ても変わらないけれど、こすれでUVカット効果が薄れるかも。マスク装着時は注意!
08:SUQQU
ほどよいトーンアップで肌のくすみを払拭
みずみずしくなめらかな感触のクリームタイプ。肌色をしっかり補整するほどではないけれど、自然なトーンアップは可能。くすみが気になる大人の肌を明るくしてくれそうだ。ベタつきを感じやすいタイプなので、塗ってすぐにメイクしたいときは、ティッシュオフするなどワンステップ入れたほうがいいかも。経時変化は少ないけれど、水でUVカット効果が下がるので、お直しは必要。
09:ソフィーナ iP
ナンバーワンの保湿力で乾燥肌も潤いたっぷり
水分をたっぷり含んだような、みずみずしい感触のクリームUV。肌にのばすと溶け込んで白浮きの心配もナシ。スキンケアしたあとのようなしっとりとした潤い肌に仕上がる。そのぶんベタつきは感じると思うので、すぐにメイクするときはティッシュオフするなどの工夫をしたい。皮脂となじんでヨレることはないけれど、水やこすれで多少くずれる可能性が。塗り直しは忘れずに。
10:ディオール
大人肌を格上げする抜群の保湿力とカバー効果
なめらかなミルクタイプ。色はベージュだけどバッチリ色がつくわけではなく、自然な肌色補整とカバーが可能。保湿効果ナンバーワンということもあり、塗ったあとはベタつきあり。ファンデの前に十分になじませるか、ティッシュオフしたほうがいいかもしれない。時間が経つとテカリやヨレが出てきそうだから、お直しは必須。大量発汗するとUVカット力も薄れるので、“追いUV”して。
サイエンスな結論
春夏ということもあり、やっぱり気になるのはUVカット効果。水や皮脂だけでなくこすれにも強く、紫外線から肌を守り続けるのは断然03。02や04、06、07も、シーンでそれほどUVカット効果が下がらないので、安心して使えそうだ。下地として使うか、スキンケアの一環とみなすかという問題を軽々クリアするのが10。保湿力と肌色補整効果がどちらもトップクラスなので、迷ったらこれを選びたい。下地効果を狙うなら04と07が肌色を明るくできるし、スキンケア効果重視なら09、01、05、06、08でしっとりさせれば日中の肌に不安なし。塗ってすぐに時間をおかずファンデを塗りたいときは、あと肌サラリの04、02、03なら、ベタつかずにストレスフリーで使える!
撮影/石田健一(実験)、藤本康介(静物) 実験/エフシージー総合研究所 取材・文/穴沢玲子 構成/佐野桐子
Edited by 佐野 桐子
公開日:
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