ブラックのマスカラに求めるのは、存在感か、繊細さか、耐久性か？ 今の気分にピッタリの1本を見つけて！
目次
エフシージー総合研究所
フジサンケイグループの調査研究機関。商品テスト、商品研究、テレビ番組の撮影協力等。
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にじまず、キレイに仕上がるのはどれ？ 新作マスカラ10本勝負！
印象深い目元になると、再び復活の兆しを見せるブラックのマスカラ。欲しいのは存在感か、繊細さか、耐久性か？ あらゆる観点から検証するので、今の気分にピッタリの一本を見つけて！
01：アディクション
02：カネボウ
03：キャンメイク
04：THREE
05：セザンヌ
06：ディオール
07：b idol
08：ファシオ
09：メイベリン
10：ランコム
【TEST.1】カールアップ効果は？
モデルのまつ毛にマスカラを塗り、真横から撮影。まつ毛の生え際と先端の角度を測り、無塗布からどれだけカールアップしたか、効果を確認。
10本中もっともまつ毛がカールアップするのは06！ 数値も見た目も納得のカール効果。2位の10もかなりの数値で、見た目も美しいまつ毛になる。3位の03、4位の05も期待大。5位は同率で01と07。この2本は自然なカール効果が得られる。
【TEST.2】セパレート効果は？
羽根にマスカラを同じ回数塗ったときの状態を観察。毛同士がくっついたり、マスカラ液がダマになっていないかを検証し、セパレート効果をチェックしよう。
01：アディクション
羽根はほどほどにさばけている。少しブラシの入り方が甘いのか、根元は不均一な束に。
02：カネボウ
マスカラ液があまり羽根にのらず、細くさばけている。繊細な仕上がりといえそう。
03：キャンメイク
塗ったあとも羽根がさばけていて、ほどよく繊細な仕上がり。でも根元はやや不均一。
04：THREE
羽根はしっかり漆黒に染まっているが、液がたっぷりつくせいか、太めの束が見られる。
05：セザンヌ
根元からある程度は分かれている。セパレート力はあるけれど、不均一な束も少しある。
06：ディオール
羽根がバッチリ黒く染まるほど液がのる。そのせいか、太めの束になっている部分も。
07：b idol
液がたっぷりのるマスカラ。そのぶん、毛先がくっついて太めの束になっている部分あり。
08：ファシオ
根元から美しくさばける、セパレート効果バッチリのマスカラ。繊細な仕上がりが叶う。
09：メイベリン
ほどよく根元からさばけて先細りの美しい毛先に。少しだけ束になる部分も見られる。
10：ランコム
液がたっぷりついて羽根が漆黒に。そのぶん、太く束になってしまったところもある。
【TEST.3】ロングラッシュ効果は？
マスカラをそれぞれ同じ回数塗り、画像解析によってまつ毛がどれぐらいのびたかを測定。数値が低くても液のつき方によっては長く見えることも。数字だけで判断せず、モデルの仕上がりも合わせて、ロングラッシュ効果とまつ毛の印象をチェックしていこう。
※写真左上の数字は画像解析によりまつ毛がのびた長さです
01：アディクション
02：カネボウ
03：キャンメイク
04：THREE
05：セザンヌ
06：ディオール
07：b idol
08：ファシオ
09：メイベリン
10：ランコム
もっともロングラッシュ効果があるのは、0.5mmものびた10。写真で見ても明らかに長くなっているし、黒々としたマスカラ液の色もあってかなり印象の強いまつ毛になっている。2位の06もかなりの長さが出現。一番のびている毛が中央にあるから、余計にすんなりと長くなっている印象だ。01は3番目のロングラッシュ効果。全体的に長さが出ていて、扇状のバサッとしたまつ毛に仕上がっている。4位は同じ数値で04と07。04はややダマっぽさもあるけれど、そのぶん長さだけでなく濃さも高まっているように見える。07も同様に、長さも太さも叶えている感じ。05は液がのることも関係して数値以上のロングラッシュ効果があるように見える。自然な長さを求めるなら03でも十分！
【TEST.4】ボリュームアップ効果は？
マスカラをつけまつ毛に同じ回数塗ったときの状態をマイクロスコープで撮影。さらに塗布重量でボリューム感の検証を行った。
01：アディクション
02：カネボウ
03：キャンメイク
04：THREE
05：セザンヌ
06：ディオール
07：b idol
08：ファシオ
09：メイベリン
10：ランコム
10本中、もっともボリュームが出るのは04。写真を見ても、かなりのボリューム感だ。2位の07もまつ毛に液がたっぷり絡んでいる印象だし、3位の05、4位の10、5位の01や6位の06もしっかり太くなっているように見える。自然な仕上がりを好むなら、09や02、08がおすすめ。
【TEST.5】粉落ちしない？
マスカラをつけまつ毛に同じ回数塗ってからろ紙で挟み、5回こすったときの状態を見る。黒いものがろ紙に付着するのは、まばたきなどの物理的刺激で粉落ちする可能性があるもの。つけまつ毛の様子も見ていこう。
01：アディクション
ほんの少しろ紙に色移りしているけれど、粉落ちはごくわずか。つけまつ毛はヨレて、毛同士がくっついている部分があるのがわかる。
02：カネボウ
かなりポロポロと粉落ちしてしまった。ろ紙が黒くなっているし、つけまつ毛に塗布したマスカラも、結果的にほぼ取れてしまった。
03：キャンメイク
色移りも粉落ちもほとんど目立たない優秀マスカラ！ でもつけまつ毛そのものはヨレていて、毛同士がくっついている部分もあり。
04：THREE
粉落ちはそれほど多くないけれど、色移りはくっきりと目立つ。つけまつ毛もヨレてしまい、毛同士がダマっぽくなっているところも散見。
05：セザンヌ
粉落ちは本当にわずかで、もはや見逃せるレベル！ 色移りも少しだから、毛同士はややくっついているものの、粉落ちはしないタイプ。
06：ディオール
マスカラが色移りしているところがあって、粉落ちも少しだけ。ボリュームが出るタイプということもあり、全体にダマっぽさも目立つ。
07：b idol
かなり粉落ちしているのがわかる。色移りは目立ちにくいけれど、ポロポロしがちなタイプなのかも。つけまつ毛のマスカラはほぼ取れた。
08：ファシオ
つけまつ毛をこすったゾーンがわかるほど粉落ちしている。色移りもあって、つけまつ毛に塗ったマスカラもほとんど取れてしまった。
09：メイベリン
ほとんど粉落ちが見られない優秀マスカラ。色移りはしているものの毛同士がくっつくこともなく、少しヨレが見られるぐらいだった。
10：ランコム
ポロッと大きめの固まりが見られるぐらい、粉落ちしている。色移りもしているし、つけまつ毛はマスカラが剝げている部分もちらほら。
【TEST.6】涙、皮脂でにじまない？
つけまつ毛に同じ回数、マスカラを塗布。そこに目薬とモデル皮脂をそれぞれ滴下して、ろ紙の上で5往復させたときの色移り具合を確認する。にじんだり、ろ紙が黒っぽく変色するものは、汗や涙、皮脂で化粧くずれしやすいマスカラだ。
01：アディクション
目薬を垂らしても変化はなかったけれど、モデル皮脂を滴下すると少しだけ色移りが見られた。皮脂には弱めのタイプか。
02：カネボウ
目薬で少し色移りし、モデル皮脂でかなりろ紙が黒くなってしまった。汗、涙、皮脂の分泌で変化が出やすいマスカラ。
03：キャンメイク
どちらもまったく変化なし！ 汗をかいても涙を流しても、皮脂が出てもパンダ目にならない、優秀マスカラがここに！
04：THREE
目薬を滴下しても何の変化もなかったけれど、モデル皮脂を垂らした結果、少しろ紙が黒く。皮脂には弱めのタイプ。
05：セザンヌ
皮脂にも水にもびくともしない、色移りゼロのマスカラ。時間が経っても化粧くずれしたくない日の味方になりそう！
06：ディオール
目薬を滴下したときも、モデル皮脂を滴下したときも、ともに黒い筋がろ紙についてしまった。経時変化しやすそう。
07：b idol
水分にも油分にも強く、まったく色移りしない頼もしさ。汗や涙、皮脂が出ても変化しにくいタイプといえるだろう。
08：ファシオ
目薬を垂らしても色移りはしなかったが、モデル皮脂はほんのりろ紙が黒っぽくなった。皮脂にはやや弱いタイプか。
09：メイベリン
目薬を滴下したときも、モデル皮脂を滴下したときもろ紙の色に変化なし。水分にも油分にも負けないマスカラ！
10：ランコム
目薬を垂らしたときはほんのりと、モデル皮脂を垂らしたときはかなりろ紙が黒く変色。色移りしてしまうマスカラ。
【TOTAL】総合評価
モデルに塗ったときの仕上がりも合わせた総合評価。正面から見たときのまつ毛の濃さ、横から見たときのカールと長さなど、実際の数値と写真の印象が異なることも。これまでの実験結果を踏まえ、好みのまつ毛の雰囲気がつくれる一本を探していこう。
01：アディクション
太めブラシで一気に長く！
カーブのついた大きめの太ブラシで、まつ毛全体に一気にマスカラ液を塗布することが可能。その一方で、目尻や下まつ毛、目頭など細かい部分を塗るのは慎重にしたほうがよさそうだ。液量は多めで束感があり、適度なボリュームも感じる仕上がり。時間が経つとにじみが気になるが、落としやすいタイプ。
すんなりと長いまつ毛になり、ほどよくカールアップも。塗ったのがわかるほどに濃く。
02：カネボウ
ワザありブラシで繊細セパレート
毛足が短く、細みでストレートなブラシが特徴的。目尻などの細かい部分も塗りやすいし、ブラシにつく液量も多すぎないので、難しいテクニックなしでもまつ毛がさばけてナチュラルな仕上がりが叶う。ただ摩擦で粉落ちしたり、皮脂でにじんだりする可能性があるので、時間が経ったらお直しが必要。
扇状に美しくセパレートしたまつ毛に仕上がる。繊細さを重視する人にピッタリ。
03：キャンメイク
粉落ちやヨレと一日中無縁！
カーブのついた細ブラシで、まつ毛の根元に沿わせやすくカールアップもしやすい。ほどよい液量で束感も出るけれど、それほど長さは出ないかも。皮脂や汗、涙には負けないし、まばたきなどの外的刺激にも強いから、時間が経っても色移りせず、粉落ちもなさそう。クレンジングしやすいのも優秀！
長さやボリュームはそれほど目立たないけれど、根元から持ち上がったような印象に。
04：THREE
インパクトまつ毛で印象的に
先に向かって太くなるユニークな形状のブラシ。マスカラ液がたっぷりとついてまつ毛にも付着させられるため、ひと塗りでボリュームアップできるけれど、細部は慎重に。時間が経つと少し粉落ちするし、にじみも気になるかも。油分で色移りしそうなので、メイク直しのときはチェックするのがおすすめ。
ボリュームアップ効果は10本中ナンバーワン。長さも出るので、かなりの存在感が。
05：セザンヌ
パンダ目を絶対回避する優秀作
ゆるいカーブとストレートのダブルコーム。ただ根元からとかしきれず、少し束っぽくなってしまうことも。まつ毛に液をたっぷりつけられるが、透け感のある黒なので主張しすぎない感じだ。汗にも皮脂にもにじまず、外的刺激で粉落ちもしにくいけれど、クレンジングはしにくいので丁寧に落とそう。
主張しすぎないブラックマスカラなので、ナチュラルに密度高めのまつ毛に仕上げられる。
06：ディオール
濃く長く上向きなまつ毛が簡単に
太くてカーブのついた大振りなブラシなので、1回でたっぷりマスカラ液がまつ毛に付着。根元からしっかりカールするけれど、細部は塗りにくいと感じることも。ボリュームが出るため束感も出やすいので、コームを併用したほうがキレイな仕上がりに。経時変化で粉落ちやにじみが出やすいので注意して。
ボリュームアップもカールアップも、ロングラッシュも好成績。黒々としたまつ毛に！
07：b idol
汗や皮脂でもにじまずキレイ！
ゆるやかなカーブを描くブラシで、マスカラ液もたっぷり付着。まつ毛にも塗りやすい。ボリュームが出るが、クリアブラックの液なので主張が強くないのも特徴的。乾きが遅く、ベタついて束になることもあるので、コームで調整したい。皮脂と汗に強いのでにじみは少ないけど粉落ちには気をつけたい。
ほどよくナチュラルな、だけど地味じゃないまつ毛に。あえての束感も出しやすい。
08：ファシオ
繊維入りでセパレート！
カーブのついたブラシ。マスカラ液そのものの量は少なめで、そのぶん繊維がたっぷり入っている。ボリュームは出ないけれどセパレート効果はバッチリなので、根元からさばけて大人っぽい仕上がりに。時間が経つと多少、にじみや粉落ちがあるかも。落ちにくさもあるので、クレンジングはしっかりしよう。
4種類の繊維が入っているから、繊細でいて長さのあるまつ毛に。束感も出にくい！
09：メイベリン
特殊なブラシで細部までラクラク
カーブのついたコームが5列並んでいるという、細部までしっかり塗れる独自形状のブラシを採用。液量がそこまで多く付着しないため、仕上がりはナチュラル。外的刺激で粉落ちしたり、皮脂や涙でにじんだりせず、お直しできない日も安心して過ごせる。でもクレンジングは丁寧にする必要がありそうだ。
コームが並んだユニークなブラシを使いこなせば、思い通りのまつ毛に。
10：ランコム
短い毛を逃さず長さも濃さも！
カーブのついた大振りのブラシは、毛足が短いので塗りやすい。液がたっぷりとまつ毛に付着し、ボリュームアップはもちろん、長さもバッチリ叶える。重たくならないせいかカールアップも思いのまま。ダマや束感が出やすいのでコームで調整を。粉落ちやヨレはあるほうなので、気になる人はお直しを。
サッと塗るだけで印象的なボリュームまつ毛が叶う。重たくならならずに上向きに。
サイエンスな結論
マスカラの機能が多様化し、求める効果も人それぞれになった今。ひと塗りで根元からカールアップさせたい、長さもしっかり出したいというまつ毛の存在感重視派には、迷わず06と10をおすすめしたい。どちらも簡単に、長さのある上向きのまつ毛がつくれる。ボリュームや長さでいえば04や07も好成績。01もまた、ほどよくバランスのいいまつ毛に仕上げてくれるだろう。目ヂカラよりも耐久性、にじみや粉落ちは絶対避けたい人には03、05、09がおすすめ。こすれにも皮脂にも水分にも強いので、お直しできない日でもパンダ目にならず過ごせる。ダマになるのがイヤ、コームを使うのも面倒、塗るだけで扇のように繊細に広がるまつ毛をつくりたいときは02、08におまかせを。
撮影／石田健一（実験）、藤本康介（静物） 実験／エフシージー総合研究所 取材・文／穴沢玲子 構成／佐野桐子
Edited by 佐野 桐子
公開日：
