健康診断の結果が良くないのに、ついついコレステロール値の高い食べ物を食べちゃう女子
揚げ物など脂っこいものが大好きで、ついついコンビニのホットスナックなどを食べがち。健康診断の結果は悪いけど、とりあえず知らんぷり。
それ絶対、NG!
教えてくれたのは…
臨床分子栄養医学研究会 指導認定カウンセラー 株式会社ヴイエー代表取締役
まごめじゅんさん
栄養を分子レベルで解析する分子栄養学界で圧倒的な人気を誇る。YouTubeチャンネル『まごめじゅん栄養チャンネル』は、わかりやすく楽しみながら栄養を学べる。
皮膚科専門医
小林智子先生
美容成分に精通。一つの成分にフォーカスした解説や肌悩みについての正しい治療の紹介をまとめたYouTubeチャンネル『こばとも先生のスキンアカデミー』が評判。
あらゆる効果を期待できる万能っぷりが話題
「マルチな“才能”」こそ、ナイアシンの魅力だと2人の専門家が証言。皮膚科専門医の小林先生は、「シワ改善&美白有効成分として承認されている以外にも、保湿や皮脂の過剰分泌を抑えることでニキビにも毛穴にも働きかけ、バリア機能も強化するなど、まさに万能。そして、敏感にも乾燥にもオイリーにも、と全肌質に対応します。どんな成分とも基本的に相性がよく、同じく抗シワ作用を持つレチノールの刺激をやわらげる働きも」と解説する。
塗るだけでなく摂取してもマルチ! 「エネルギーの産生やDNAの修復、抗酸化に関わり、疲労回復やアルコール分解を助けるという一面も。さらに、アドレナリンなど脳内伝達物質の過剰な分泌を調整し、心身の健康に幅広く働きかけます」と分子栄養学のカウンセラーまごめじゅんさん。
ナイアシンは、正しく取り入れれば使って損なしのまさにスーパー成分!
・そもそもナイアシンって何?
ナイアシンは、ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)とナイアシン(ニコチン酸)の総称。化粧品に配合されているのは、ナイアシンアミド。食品にも含まれるが、ナイアシンアミドは動物性の食品に多く、ナイアシンは植物性の食品に多く含まれる。
地味にスゴイ! 生命を守りアンチエイジングに役立つ成分
ナイアシンは、ビタミンCなどに比べると重要性の認識が低い成分ですが、実はコレなくして人間は生命を維持できません。細胞代謝や抗酸化、DNAの修復……と多岐にわたる働きは、アンチエイジングを目指すVOCE読者にとっても興味深いのでは!?
【食べてうれしい】ナイアシンの健康効果
まごめさん
人間が生命を維持するために最も必要なビタミンは、ビタミンC、次ナイアシン(ビタミンB3)です。これだけでもナイアシンがいかに重要な存在であるかを理解してもらえるのでは? ナイアシンは、マルチビタミンやビタミンB群のサプリに含まれていることが多いため、気づかないうちに摂取していたという人も多いかもしれません。食品に含まれている成分なので、まずは食事で取り入れる努力を。
01:コレステロール値を下げる
「コレステロール値が高い人がナイアシンを摂取すると下がるケースがあり、確率的には1/2程度といわれています。“コレステロール値がダウン=痩せる”という意味ではありませんが、ナイアシンが不足するとエネルギーや脂質の代謝が悪くなり、太りやすくなる可能性が」(まごめさん)
02:糖質・タンパク質・脂質すべての代謝を助ける
「糖質、タンパク質、脂質という3大栄養素をエネルギーに変えるためにナイアシンは必要不可欠。エネルギーが枯渇し、細胞の代謝が正常に行われなくなると“エラー”が起こります。それが肌老化を含む全身のエイジングやガンなどの病気の原因にも」(まごめさん)
03:メンタルを落ち着かせる
「アドレナリンやドーパミンなどの脳内の伝達物質が過剰に分泌されると、心に落ち着きがなくなり、不安な気持ちになるなどメンタルに支障をきたす要因に。その過剰に分泌された脳内の伝達物質をナイアシンを摂取することで代謝し、調整することができます」(まごめさん)
04:DNAの修復&抗酸化
「傷ついたDNAを修復する酵素の活性を高めます。さらに抗酸化力もアップ。細胞の中には、グルタチオンというものすごい“働き者”の抗酸化物質が存在しますが、酸化したグルタチオンを還元し、抗酸化力を持つ状態に戻す“救世主”としての働きも。日焼け後にもぜひ摂取したい成分です」(まごめさん)
どうやって摂るのが正解?
【サプリ】いきなり大量摂取はNG! 徐々に慣らす方法を
大量のナイアシンを一気に摂取すると、頬が赤くなったりピリピリする“ナイアシンフラッシュ”という症状が出ることも。200mgを3日飲んだ後、300mgを3日……と少しずつ量を増やすのがおすすめ。ベストな量には個人差あり。
【食べ物】おやつ代わりにナイアシンを含む食品を食べるのもアリ
ナイアシンは、豆類や卵など、生命の源となる食品に豊富。枝豆や落花生、ゆで卵などは、コンビニでも簡単に手に入るので、おやつにするのも手。おやつはお菓子を食べるのではなく、栄養補給のチャンスと概念を変えて。
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イラスト/ちばあやか、香川尚子 取材・文・構成/山本美和
Edited by 宮ノ原 幸佑
公開日: