「いろいろな感情や女の子の変化に、共感しながら描いていました」(yasuna)
──お二人が制作された漫画『曖昧ベッドルーム』。曖昧な関係を描くラブストーリーがSNSで話題となりましたが、この作品が誕生されたきっかけから教えてください。
MIYAMU「きっかけは、5年くらい前。元々yasunaさんとは知り合いで、『インスタで一緒に何か作りましょう』とお話ししていたのですが、『セフレの家から帰るのって、なんか何とも言えない気分になるよね』みたいな気持ちを漫画化しよう!と、SNSでショートストーリーの投稿を始めたんです。そこからしっかりと連載漫画として仕立てを変えていくことになり、キャラクターを増やしたり、今の時代に合ったオチってなんだろう?と考えていたら、このストーリーに落ち着きました」
yasuna「『わかる! こういう男いるよね』みたいに共感しながらイラストを描いていたのは覚えています(笑)」
MIYAMU「すごく感情を乗せて描いていただいたと思っています」
yasuna「この作品はすごく長い時間をかけて描いてきたので、その間プライベートも私なりにちょっとずつ成長していきました。共感というよりは、“そんなこともあるよね”みたいに段々と思えるようになったり。だから、女の子はそういう経験を経て落ち着いていくっていう流れも、わかるなぁと感じながら描いていましたね」
MIYAMU「私が最初にyasunaさんに原稿を渡したのはコロナ禍に入る前くらいだったんですが、どんな場面でどんな体制でどんな表情……という詳細はほとんど書いていなくて。セリフしか書いていなかったんですよ。でも、そこを全部読み取ってくれて。yasunaさんの絵って、そもそもポップでハッピー!な感じではないじゃないですか。哀愁漂うというか、その切なさをはらんでいる感じも相まって、原稿を渡して出来上がった画を見ると、毎回よくこんなにツーカーでやってくれるなと思っていました」
yasuna「え、嬉しい! 本当にト書きだけの脚本でしたよね(笑)。でも、やっぱり結構大変でしたよ。ただ、こういう心情描写を増やしてほしいとか、書き方のオーダーをMIYAMUくんに伝えてから、どんどん原稿の練度が上がってきて描きやすくなった気がします」
MIYAMU「漫画は私が脚本の大枠を作るんですが、隙間はyasunaさんが全部埋めてくれて。『違ったら言って』って言われていたんですけど、合っているから、すんなり『それでお願いします』ってなる感じで仕上がっていきました(笑)」
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ときめきよりも安らぎを