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エフシージー総合研究所
フジサンケイグループの調査研究機関。商品テスト、商品研究、テレビ番組の撮影協力等。
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うるおって使いやすいのはどれ? 本命クリーム ガチ検証!
急激な湿度の低下で、肌の乾燥が止まらない人、要注目! 効果実感や塗り心地に定評のある、人気クリーム10品で実験スタート。保湿力やなめらかさなど、好みにあう一品を探して!
【TEST.1】すべりのよさは?
クリームを同量塗ったときの、表面の摩擦を計測していく。すべりがいいとは、なめらかで肌あたりがいいということ。グラフをチェック!
グラフの数値が小さいほど摩擦が少ないということ。10品の中でもっともすべりがよく、なめらかなのは03。100以下という数値がこの1品だけということにも注目。06、07もかなりなめらかなクリームといえそう。数値が少し大きくなるが、09、01も肌あたりがソフトなタイプとみなしてOK!
【TEST.2】テクスチャーは?
ボードにクリームをのせ、指でのばしたときの印象を見る。乳液のようにゆるいものから、固めの質感でバームのようなものまで、さまざま。
01:アスタリフト
10品の中でもっとも色みが強く、オレンジ色。コクはあるけれどやわらかさも感じる。
02:イプサ
見た目は真っ白でしっかりとしていて固そうな印象。のばすと角が立つような質感だ。
03:SK-II
クリーム色でコクがある感じ。ボードにのばしてみるとなめらかで、広げやすいクリーム。
04:エトヴォス
ぱっと見た感じはゆるくてやわらかそう。するっとボードの上でのびるようなとろーり質感。
05:オルビス
クリームというよりバーム! 固くしっかりとしたテクスチャーで、ややのばしづらさも。
06:キールズ
少しベージュっぽいクリーム。やわらかく透け感があり、ジェルのような感触が特徴的である。
07:ドクターシーラボ
のばしたときはやわらかく、とろっとしている。透け感はほとんどなく、なめらかな感触。
08:なめらか本舗
角が立つほどねっとりと固いクリーム。見た感じも粘度が高そうなこっくりテクスチャー。
09:ミノン アミノモイスト
固さのあるクリームだけど、指で触れたところはとろけてなめらかに。温度で変化するタイプ。
10:ランコム
見た目は少し固めという印象。のばした跡が残るような、重めの塗り心地のクリームだ。
【TEST.3】表面をコートする?
梅に同量のクリームを塗布し、直後、5時間後、翌日の変化を観察して評価。
01:アスタリフト
塗って5時間後からシワが入り始め、翌日には深いシワが数本入った。
02:イプサ
白いクリームが表面を覆っているが、翌日には深いシワが入りしぼんだ。
03:SK-II
5時間後はほとんど変わらないものの、翌日になると深いシワが数本。
04:エトヴォス
5時間後はほとんど変化がなかったのに、翌日にはしぼんで小さく。
05:オルビス
5時間経っても見た目があまり変わらず、翌日のシワもたった1本!
06:キールズ
塗って5時間後にシワが入り始め、翌日には小さくしぼんでしまった。
07:ドクターシーラボ
5時間後は変化なし。翌日になっても浅めのシワが入っただけ!
08:なめらか本舗
塗って5時間、変化なし。翌日になると深いシワが入り、変形してきた。
09:ミノン アミノモイスト
塗布後5時間でまったく変化なし。翌日もシワが浅めに入っただけと優秀。
10:ランコム
5時間後はあまり変わらないものの、翌日にはシワが入り、しぼんだ。
【TEST.4】うるおう?
前腕の内側にクリームを塗り、塗布前と塗布60分後の水分量を測定してグラフ化。うるおい力は?
数値が大きいほど水分を補う効果が高いクリームということ。この中でもっともうるおうのは07、2番目は04、3番目は08と10が同率、5番目は03という結果になった。みずみずしく、よりうるおわせたいときはこれら上位のクリームがおすすめだ。コート力を求めるときは【TEST.3】の結果もぜひ参考にしてみて。
【TEST.5】ベタつかない?
肌模型にクリームを塗布し、ハート型のパーツを付着させてくっついた量を観察。ハートが多く残ったものほど、ベタつきが残りがちなもの。ベタつきをよしとするか邪魔とするかは人それぞれ。塗ったときの肌を想像してみて!
01:アスタリフト
残ったハートの数は少ないので、ベタつきにくいあと肌になれるタイプのよう。
02:イプサ
固めでしっかりしたテクスチャーだけど、残ったハートは5枚と少なかった。
03:SK-II
こっくりしたテクスチャーということもあり、残ったハートは7枚だった。
04:エトヴォス
ハートは7枚。やわらかくのびのいいクリームだけど、ベタつきはほどほど。
05:オルビス
表面をコートするバームのようなテクスチャーだけに、26枚と最大量が残った。
06:キールズ
ジェルのようなクリームだけに、残ったハートは6枚。3番目に少ない量だ。
07:ドクターシーラボ
なめらかでスルッとのばせるクリームということもあり、残ったハートは少なめ。
08:なめらか本舗
ハートは20枚と2番目に多かった。ねっとりとしたクリームだからかも。
09:ミノン アミノモイスト
質感のわりに残ったハートは6枚。それほど多くなく、ベタつきも少ない。
10:ランコム
10品の中でもっとも少なく3枚。固めのテクスチャーだがベタつきは皆無だ。
【TEST.6】浸透力は?
実際に人の肌にクリームを同量ずつ塗布し、30分経ったあとの状態を観察する。クリームが肌にのっているのがわからなくなったものは、浸透したとみなす。スッとなじむもの、表面に残りがちなものなど、クリームによって特徴が出るので要注目!
01:アスタリフト
最初は全体的にオレンジ色。30分経つと少し浸透してさらに濃くなる。
02:イプサ
直後は全体的に白っぽい。30分後もしっかり白く、印象はあまり変わらず。
03:SK-II
直後は全体的に白っぽい。30分経つと白さは減少したが厚みは残っている。
04:エトヴォス
塗布直後からなじむため、色があまり残らない。30分後はほぼ浸透した感じ。
05:オルビス
直後はクリームの厚みもあり白っぽい。30分経つと色は消えるが厚みは残る。
06:キールズ
直後から色はほぼ残らず。30分経つとすっかり消え、浸透したようだ。
07:ドクターシーラボ
直後は白っぽく残っている。30分後はある程度消えるが、部分的に残存。
08:なめらか本舗
直後は白く残るが、30分後には色が消える。でも厚みはあまり変わらず。
09:ミノン アミノモイスト
直後は厚みがあり白っぽい。30分経つと部分的には残るが、だいたい浸透。
10:ランコム
塗布直後はやや白さが残るが、30分経つとほぼ消えて、だいたい浸透した。
【TEST.7】肌の見た目はどう変化する?
腕の内側にクリームを同量塗布して、表面の状態をマイクロスコープ60倍で観察。15分後、3時間後と時間経過でツヤやうるおい感がどのように変わっていくかを見ていこう。
01:アスタリフト
15分後はうるうる、ツヤツヤ状態。3時間経つと落ち着いてきて、肌表面はマットになった。
02:イプサ
15分後はみずみずしい状態。3時間すると皮溝に白く溜まる感じもあるけど、落ち着く。
03:SK-II
15分後はうるうる&ツヤツヤ。3時間後はうるおいは残りつつも、ツヤ感をキープしている。
04:エトヴォス
塗布15分後はツヤツヤ。3時間するとある程度は落ち着くけれど、ツヤはそのまま持続した。
05:オルビス
塗って15分後も表面はツヤツヤ。3時間経っても変化は少なく、ツヤ感をそのままキープ。
06:キールズ
塗布15分後はツヤツヤ状態。3時間経過してもあまり変化がなく、ツヤ感をそのまま維持。
07:ドクターシーラボ
塗布15分後、すでに表面はマットに。3時間経ってもほとんど変わらず、マットなままだ。
08:なめらか本舗
塗って15分経ってもかなりツヤツヤ状態。3時間すると多少は落ち着くが、ツヤ感は残る。
09:ミノン アミノモイスト
15分後はうるうるツヤツヤの状態。3時間すると多少は落ち着くけれど、ツヤ感はある。
10:ランコム
塗って15分後もみずみずしい印象。3時間後はかなり落ち着き、一転してマットになる。
【TOTAL】総合評価
01:アスタリフト
ベタつかないから一年中ストレスフリー
コクのあるクリームだけれど、肌にのばすと薄く広がっていく感じ。リッチな塗り心地ながらベタつきは少ない。油分で薄くコートされるような使用感で、塗ったあとはしっとりするので、季節を問わずに使えそうだ。塗った直後より浸透後のほうが色みが濃くなるので、塗り方によってはやや血色感が増すかも。
02:イプサ
ヌルつかないからどんな場面でも使いやすい
見た目はこっくりしているけれど、肌にのばせばみずみずしいという少し不思議なテクスチャー。ぐんぐん浸透していくというよりは、表面に残って白っぽくなるような使用感。でも油っぽくはないのであまりベタつかない。さらりとした感触で、ベタベタするのが嫌な人はもちろん、朝のメイク前でも安心して使える。
03:SK-II
すべりのよさNo.1! 心地よく塗れるクリーム
こっくりとしたテクスチャーだけど、肌の上をすべるようにのびるのが特長的。少しずつ肌になじんではいくが、厚く塗ると少し白っぽく残るかも。うるおい効果はあるもののベタベタするほどではないので、誰でも使いやすいクリームといえる。ふっくらと保湿される感じで、季節や肌質を問わず取り入れやすいはず。
04:エトヴォス
うるおい効果の高いとろ~りテクスチャー
やわらかく、とろけるような塗り心地のクリーム。のばしていくと手が肌に吸いつくような質感に変わっていく。みずみずしくて油っぽさもなく、重たさがないのにうるおい効果が2位とかなりの塗りやすさ。コート力はあまりないが、浸透してうるおいを補ってくれるタイプ。朝のスキンケアでも安心して使いたい。
05:オルビス
水分が逃げるのを防ぐしっかり濃厚タイプ
まるでバームのように濃密な感触。かなりのびが重たいので、肌にのばすときは手のひらになじませてからつけるといいかも。10品の中ではかなりベタつくけれど、表面をコートする効果もトップクラス。油分を感じるテクスチャーが肌に密着し、長時間うるおいをキープしてくれるので、乾燥を感じる夜に塗るのがおすすめ。
06:キールズ
朝の使用にも最適なみずみずしい感触
水分をたっぷり含んだような、みずみずしいテクスチャーのクリーム。なめらかにのび広がってスッと浸透していくので、ベタつき感は少なめだ。ライトな使用感だけに肌表面をコートする効果はあまりない。すごく乾燥する人はもしかしたら物足りなく感じるかもしれないので、その際はアイクリームなどと併用して。
07:ドクターシーラボ
うるおい効果NO.1! 乾燥肌の人は要チェック
とろっとやわらかいクリームは、するするとなめらかにのび広がる気持ちのいいテクスチャー。でもズルズルしてしまうことはなく、肌になじんでちゃんとフィット。ベタつきは少なめながら、うるおわせる効果は10品中トップ。しっとりするもののテラテラしないので、メイク前に使ってもテカリを気にせず過ごせそう。
08:なめらか本舗
ねっとりクリームでカサつき肌もしっとり
こっくりと濃厚なテクスチャーなので、のび広げるときは丁寧にのばしていったほうがいいかも。量が少ないと摩擦の心配があるから、たっぷり塗るようにしたい。ベタつき感が10品中2位と高めだけど、うるおい効果は10品中で3位。塗ったあとはかなり肌がしっとりするので、就寝前のケアにピッタリだ。
09:ミノン アミノモイスト
しっかりコートしてうるおいの蒸散を防ぐ
固さを感じるクリームだけど、肌にのせると体温でとろけゆるっとのばしやすい状態に変化。少しずつなじんでいき、こっくりテクスチャーのわりにベタつきは少なめ。肌を包み込むようにコートしてくれるので、乾燥が気になるときにはたっぷり塗って寝たいかも。ベタベタしにくいので季節を問わず使いやすい。
10:ランコム
浸透感バッチリでうるおい効果も高い
やや固さを感じさせるクリーム。肌の上ではフィットする感覚があるものの、のび広げるときは少し重たく感じるかもしれないので、丁寧になじませていきたい。ベタつきのなさはトップだから、朝のメイク前でもストレスなく使えそうだ。浸透感があってうるおい効果も高いので、乾燥を癒やしたい人はぜひお試しを。
サイエンスな結論
クリームと一口にいっても、肌へのアプローチはアイテムによってさまざま。スキンケアの最後にフタをしてそれまで与えたうるおいを逃がさないようにする、いわゆるコート力が高いのは05と07、そして09。それとは異なり、うるおいを補う効果が高いのは、塗ったあとの水分量が高くなる07、04、同率で08と10、そして03。07はフタとしての役割でも、うるおいを補うという意味でもトップの成績を残した優秀クリームだ。また塗るタイミングを考えると、ベタつきが多いものはメイク前には使いにくい。10を筆頭に、01、02、07、06、09はあと肌がベタつきにくいので、朝ケアでも安心して塗れそうだ。塗ったときの感触は人それぞれで好みが分かれそう。重さのある質感に安心感を覚えるなら05、08を選んで。やわらかな感触が好きなら04、06、07がおすすめ!
撮影/石田健一(実験)、藤本康介(静物) 実験/エフシージー総合研究所 取材・文/穴沢玲子 構成/佐野桐子
Edited by 佐野 桐子
公開日:
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