ツヤとテカリの違いは、ツヤの範囲とメリハリにあり!
ヘア&メイクアップアーティスト
長井かおりさん
\長井さん、この肌どうですか?/
判定は……【○】ツヤ
長井さん
ポイントで小さく効かせたツヤが力を発揮し、顔立ちを立体的に見せることができているよい例。肌全体の印象はさらりと涼しげなため、清潔感や透明感のある雰囲気に。ツヤ部分とセミマットな肌のメリハリをきちんと出せていることが成功の要因!
判定は……【×】テカリ
長井さん
広範囲にツヤが広がっていることで、テカテカとした印象に。もはやツヤというよりテカリ状態! 肌全体が光っているので、どの部分にハイライトを入れているかもわからなくなっている。夏は特に、“テカっている人”認定されてしまいそうな仕上がり。
長井さんが解説! これが正しいツヤです
【Spot】ツヤを足すべきはココ!
◆眉頭の上
ついしっかりと光を仕込みたくなるTゾーンだけど、皮脂が出やすいこのパーツに広めのハイライトは危険。眉頭から眉の中間までを細く光らせるだけでも効果は抜群!
◆目頭と鼻先
テカりやすい鼻まわりは最小限が正解。「鼻筋を通したい」という気持ちをぐっとこらえて、鼻根と鼻先だけにチョンとのせて。ついでに目頭の内側にも光をのせれば、目の印象も際立つ。
◆目尻の下
目尻を囲むようにC形にハイライトを入れがちだけど、これもテカリに見えてしまう可能性あり。目尻の下に小さな“そら豆”を描くようにのせると、ふっくら感とツヤ感のある肌に。
◆唇の上
唇を立体的に見せるために唇の山の上を光らせるのは効果的。ただ、鼻に近いほどテカリ見えしてしまうので、ごく細い線を意識して光らせて。口角のツヤもだらしなく見えるのでNG。
【Point】肌を涼しげにつくっておくことが重要
ツヤを際立たせるには、ベースとなる肌とのメリハリをつくるのが最重要。ツヤツヤな肌にハイライトがのみこまれると、テカリ感を助長してしまう原因に。ファンデを塗った後、必ずパウダーでセミマット状態に仕上げて。
【Products】きらめきに強いアイテムが正解!
狭い範囲で効かせるために、きらめきが強めのものをチョイス! パールが入ったものから、ウェットタイプorパウダータイプを好みで選んで。
読者のリアルメイクに長井さんが辛口アドバイス
【CASE.1】光らせているつもりだけど、ツヤが効いていない!
VOCEアンバサダー
理沙さん
「ツヤが大好きでたくさん仕込んでます!」
→【解決法】ハイライトの下にコンシーラーを!
長井さん
ツヤをたっぷりと仕込んでも印象が弱いのは、もともと立体的な顔立ちのせい。そういう場合は、ハイライトの下に明るい色のコンシーラーをのせればツヤが際立ちます。鼻まわりがテカりやすいタイプなので、ツヤを抑えてメリハリを出すのも重要!
光らせたい部分にライトカラーを仕込んで明るく
テカりやすい鼻まわりを避け、眉頭の上、鼻根、鼻先、目尻の下に、A→Bの順でオン。
顔の中心のツヤをパウダーでしっかり抑える
鼻まわりの皮脂が出やすく、テカりやすいタイプなので、パウダーで抑えておくと◎。
【CASE.2】ツヤの量が多すぎて、テカリ化してしてる!
VOCEアンバサダー
ビワ子さん
「肌のツヤを消さずに重ねるといい感じです」
→【解決法】ベースの肌を涼しげにつくるべし!
長井さん
ツヤタイプのファンデを使い、さらに広範囲にウェットタイプのツヤを重ねづけしているので、顔全体が光りすぎています。これはもう、完全なテカリ! ベースの肌をパウダーでセミマットに整え、重ねるハイライトも最小限にしてみましょう。
ファンデの後には必ずフェイスパウダーを使用
「乾燥肌」といえども、仕上げのパウダーはマスト。ブラシでふわっとのせるのが正解。
指を使って最小限の光をのせて
ツヤをのせすぎるクセがあるので、ハイライトは指でオン。ピンポイントで狙ってのせて。
【CASE.3】ツヤの量が少なすぎて、もはやカサついてる!
VOCEアンバサダー
ゆりなさん
「テカテカになるのが怖いので控えめ派です」
→【解決法】大胆な輝きを指でのせてみて!
長井さん
こちらは、テカテカを恐れすぎているタイプ。ツヤを制限しすぎて、肌が乾燥しているように見えてしまっているのがもったいない。初めから大胆にツヤを足すのが難しければ、指を使って少量ずつ重ねづけをしていく方法がおすすめ!
指に取ってから肌にのせてつけすぎを防止
乾燥肌なので、ウェットタイプを使用。テカリ化が怖いなら、指のせで量を調整して。
すべらせずスタンプ置きでツヤをオン
指をタップさせるスタンプ塗りで、少しずつツヤをのせて。重ねづけを繰り返すのが◎。
【Q&A】ツヤとテカリに関する疑問にズバリ回答!
Q. もともとオイリー肌ですが気をつけるべきことは?
A. 顔の中心のツヤを一掃して
長井さん
オイリー肌の人は、額や鼻など、顔の中心部分が特にテカりやすいので注意。朝の肌づくりの段階で、しっかりと顔の中心部分のツヤを抑えておこう。またこの部分にはなるべくツヤをのせないなどの工夫をすることも大事。
Q. アイテムはどうやって選べばいいの?
A. 基本的には好みで。肌質で選んでOK
長井さん
ウェットタイプのハイライトは、肌なじみがいいので存在感が少し弱め。逆にパウダータイプは際立つので、よりツヤ感を強くしたいなら後者を。また、乾燥肌ならウェット、オイリー肌ならパウダーと肌質で選んでも問題なし。
Q. ツヤがテカリに変わったときはどうする?
A. 持ち運べるプレストパウダーが便利です!
長井さん
時間が経つとツヤと皮脂が混ざってテカリに変わってしまうのは仕方がない現象。まずはティッシュで皮脂を抑えたら、持ち運びに便利なプレストタイプのパウダーでテカリを抑え、再度上からツヤをオンすれば元通り!
Q. 指のせとブラシのせで違いはある?
A. 密着力に違いが出ます!
長井さん
指でのせる場合は、圧をかけやすいのでそれだけ密着力が上がります。また細かい操作がしやすくて失敗しづらいので初めは指からトライを。ブラシは、目頭など細かいパーツにツヤをのせるときに便利です。
\ツヤを上手に使いこなせば顔が変わる!/
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『長井かおりからのお知らせです そのメイクの常識、ちょっと前に変わってます!』¥1650(講談社)
長井メイクのアップデート版を盛り込んだ最新作。ベースメイクからパーツメイクまで、今知りたいメイクの技がギュギュッと一冊に。
撮影/当瀬真衣(TRIVAL/人物)、伊藤泰寛(静物) ヘアメイク/長井かおり(MAKEUPBOX) スタイリング/浦田聡美 モデル/甲斐まりか 取材・文・構成/河津美咲
Edited by 野崎 未来
公開日:
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