美容成分図鑑

敏感肌も使える!?【レチノール】の正しい使い方とおすすめコスメ5つ

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敏感肌も使える!?【レチノール】の正しい使い方とおすすめコスメ5つ

使用経験者が94%超えという注目度の高い美容成分、レチノール。けれど、「うまく使えない」「使いたいけど怖くて……」という声も。そこで、改めてレチノールとうまくつきあう方法を解説。

教えてくれたのは…
小林智子さん

皮膚科専門医

小林智子さん

美容成分のわかりやすい解説が好評。自身のYouTubeチャンネルやインスタではレチノールやレチノール配合コスメについても発信している。

使いたいけど使えない!? レチノールのリアルな作用と使い方とは? 強度や種類ごとに使い方を工夫すれば刺激レスで効果の高いケアが叶う!

副反応が出るか、出ないかは自分のつきあい方次第

「成分の流行りもあり、レチノールがかなり一般的になっているとは感じますが、使いこなせている人がまだ少ないという印象があります。というのも、実際に私のSNSへのコメントでもレチノールについての質問は非常に多いからです。なかでも、“皮むけ”や赤みなどの副作用を心配する声が大多数。ゆらぎやすい肌の人ほどレチノールを敬遠しているようですが、実はその必要はまったくなく、むしろ肌を安定させるためにレチノールを活用したほうがいいくらいです。刺激や一時的な副作用が怖いようですが、それらはレチノールの選び方や使い方次第で解決できます。

レチノールはビタミンAの一種で、種類によって作用の強さが変わります。SNSなどに“顔の皮膚がベロベロにむけた様子”がよくアップされていますが、ああいった美肌効果が高い代わりに副作用も強いタイプから、敏感肌や乾燥肌でも問題なく使うことができるマイルドなタイプまで存在しています。また、塗り重ねる順番を工夫したり、スキンケアに取り入れる頻度を調整することで、刺激の感じ方をコントロールすることができます。必要なのは、正しく取り入れること。今回の企画を読めば、正しい知識を学ぶことができるはずです! 上手にレチノールを活用して美肌を目指しましょう」

レチノールの基本について改めておさらい!

そもそもレチノールとは……?
ビタミンAの一種。ビタミンAのなかでも化粧品に配合される成分として最もポピュラーなのがレチノール。ほかにも誘導体のレチニルエステルや、処方薬に配合されるトレチノインなどがある。

【効果・メリット】

◆肌の代謝が活発

表皮細胞の分裂速度をアップさせ、肌の生まれ変わりを促す。コンスタントに新しい細胞が生み出されると、肌はフレッシュでみずみずしい印象を保てるように。加齢によって薄くなった表皮に厚みをもたらす効果も。

真皮の若返りを促進

加齢によって減少する真皮のコラーゲンやエラスチンは、肌がゆるまないように支える、いわば柱のような存在。その産生を増やすように働きかけ、長期間使用することで弾力が取り戻せれば、シワやたるみの改善に。

皮脂分泌抑制

過剰な皮脂分泌をコントロールする働きがあり、ニキビや毛穴の黒ずみなど皮脂が原因の肌トラブルのケアとしても最適。排卵後から生理前にかけてホルモンバランスが乱れ、ベタつく時期の救済成分としても有効。

メラニンを排出し、シミを改善

年齢とともに乱れやすくなるターンオーバーのリズムを正常化し、メラニンを含む角質の速やかな排出をサポート。本来、外に排出されるはずだったメラニンが居座っていることで起こるシミやくすみの改善に役立つ。

【効果・メリット】

【副作用・デメリット】

◆刺激を感じやすい

「究極のアンチエイジング成分」といわれるほど、肌の年齢問題に幅広く対応する効果がある反面、肌に刺激を感じやすいというデメリットも。ただし、そのレベルはビタミンAの種類によって差があり、マイルドなものも。

◆一時的に赤みが出やすい

赤みやカサつきのほか、皮むけなどの症状が出ることがあるが、肌の“かぶれ”などとはまったくの別物。一時的なものであり、1週間~1ヵ月程度で改善する副作用といわれている。皮膚の薄い部分に反応が起こりやすい。

◆紫外線に弱い

紫外線に当たると分解されやすく、効果が消失するだけでなく刺激を感じやすくなる。日焼けによるダメージを受けやすくなることも。そのため、朝の使用は避けたほうが無難。使用する場合は日焼け対策を万全に。

【副作用・デメリット】
ビタミンAの種類と強度 トレチノイン レチノール レチノール誘導体 効果 刺激 高 低 強 弱

トレチノイン
レチノールの生理活性の強さを1とすると、その50〜100倍の強さがあるといわれている。ビタミンAの中で最も効果が高く即効性もあるが、副作用が強く、濃度によってはボロボロと皮がむけることも。多くの論文やエビデンスが存在。医薬品にのみ配合され、クリニックでの処方が必要。

レチノール
レチノールは肌に吸収されるとレチナールという段階を経て、トレチノインへと変化。ダイレクトに働くトレチノインと比較すると使用感がマイルドで、そのぶん副作用も少ない。化粧品に配合される美容成分として広く認知されている、ビタミンAの中では最もメジャーな存在。

レチノール誘導体
レチノールを安定化させ、扱いやすくした誘導体。レチニルエステルとも呼ばれ、安定性が高く刺激などの副作用も少ないため、レチノールビギナーに最適。ただし、効果が出るのに時間がかかる。化粧品には、酢酸レチノールやパルチミン酸レチノールなどと表記される。

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レチノールの使い方とおすすめコスメ

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