メイクに必要なのは、妄想力
自分を着せ替え人形みたいに、いろんな顔に変えるのが好きなんです。あるメイクが鉄板で似合うとわかっていても、毎日違うメイクがしたい。大好きな映画のワンシーンやお気に入りの写真集、SNSで見かけた美しいひと。いろんなものを妄想の源にして、新しい私をいつも探しています。
メイクは、料理に似ている
同じ口紅でも、薄く塗るのと濃く塗るのでは表情が変わるし、直塗りかブラシ塗りかでも違って見える。メイクってお料理の味付けと一緒。それぞれがどんな味わいかを知っておけば、その組み合わせは無限。また、肌のアラはすべて隠す、色はしっかり発色させねば、といった思い込みから自由になれたら、思いがけない組み合わせに出合えることも。自分の魅力の可能性を広げるためにも、柔軟な発想は大事です。
メイクは、起点と機転!?
顔のことだけを考えて、メイクをすることはありません。その日になりたい女性像を決めたら、洋服やアクセ、ヘアスタイルなど、“起点”となるものを決めて全身のトータルバランスを考えながらメイクするのが私のセオリー。顔は全身の一部分。そこだけにフォーカスするのではなく、全身で強弱のバランスを整えることで服が似合う顔が生まれます。
メイクは、制約があった方が楽しい!
学生時代、制服や校則という制限がある中であんなにオシャレに燃えたのは“ちょっとの不自由”に挑戦する楽しさが好きだったから。だから今も、例えばきちんと感が求められる打ち合わせやいつものメイクがなじまないアウトドアなど、与えられた制限の中でメイクを組み立てるのはワクワクする作業。自由にメイクをするのも楽しいけど、制約の中でTPOに添いつつ、自分らしさを滲ませる。難しいゲームをクリアするような達成感がたまりません。
気分を重ねれば、自分らしさになる
メイクに自分らしさを滲ませることは、決して難しいことではないんです。メイクとは本来、食事と同じように気分を優先して、楽しみながら組み立てるもの。もちろん、お仕事などシーンによっては与えられたテーマに沿って考えなければいけないこともありますが、大抵は「このシャドウの色と質感、可愛い!」とか、「この前見かけたあのシャドウとリップの組み合わせが最高に素敵だったな」とか。そういった“好き”というポジティブな気分を組み合わせることで、今の自分にフィットする似合うメイクができます。今の“気分”を積み重ねていけば、“自分らしさ”になるから。メイクに迷ったときには、ぜひ気分ファーストなメイクを。
撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE/人物) ヘア/津村佳奈(un ami ) スタイリング/白幡啓(LOVABLE) 取材・文/中川知春
Edited by 大森 葉子
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