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教えてくれたのは……
管理栄養士
望月理恵子さん
管理栄養士をはじめ、ダイエット指導士やサプリメント・ビタミンアドバイザーなどさまざまな資格を有し、テレビや雑誌といったメディア監修や講演などで活躍。健康、美容、ダイエットなどヘルシーな栄養情報の発信や、美と健康にいいおいしいレシピの考案をしている。『やせる時間に食べてみた!』(主婦の友社)ほか、著書も多数。
オリゴ糖って一体何? 砂糖との違いは?
望月理恵子さん
砂糖やオリゴ糖といった糖質は、最小単位である『単糖』というものが鎖状で結びついたもの。その鎖がどういう風に繋がっているかによって、砂糖やオリゴ糖、ほかにも麦芽糖など、さまざまな種類に分類されています。
オリゴ糖は、2~10個の単糖が繋がっているものをさし、砂糖との違いはその結びつきのみ。オリゴ糖は一般的に“砂糖の代用品”というイメージが強いかもしれませんが、その認識で問題ありません。
※ここでいう「オリゴ糖」とは機能性が認められている難消化性のオリゴ糖を指します。
オリゴ糖の甘さは砂糖の約3分の1
望月理恵子さん
オリゴ糖は砂糖の代わりという認識で大丈夫ですが、甘さの度合いは異なります。ものにもよりますが、基本的にオリゴ糖の甘味度は砂糖の3割ほど。オリゴ糖で砂糖と同じ甘さを出そうとすると、3倍以上の量を使わなければならない計算になります。
とはいえ、私は普段の料理にオリゴ糖をよく使っていますが、甘みが少ないとはそれほど感じておらず、人によって“甘さ”の捉え方は変わるかもしれません。
オリゴ糖は「人工甘味料」ではありません!
望月理恵子さん
オリゴ糖=人工甘味料だと勘違いされている方がとても多いのですが、明確に違います。まったく別のものです。
【オリゴ糖の効果】腸内環境を整える強〜い味方に!
オリゴ糖に期待できる3つの効果
●整腸作用
●砂糖より虫歯になりにくい
●ミネラル吸収促進
望月理恵子さん
オリゴ糖のいちばんの効果は、整腸作用。善玉菌であるビフィズス菌の増殖を促して、腸内の細菌バランスを改善してくれます。また、虫歯を防ぐという点でも期待できます。口腔内の細菌が砂糖を消化すると、歯のエナメルを溶かしたり、歯石の原因になったりします。
ですが、オリゴ糖は口腔内の細菌に利用されない、もしくは利用されにくいため、甘いものを摂ったとしても虫歯になりにくい傾向にあります。オリゴ糖を食べたから虫歯にならないということはなく、あくまでも“砂糖を使ったものよりも虫歯になりにくい”、ということです。
さらに、ミネラルの吸収を促進してくれるのもうれしいメリット! ミネラルは体内で合成できないため食べ物から摂取する必要があり、臓器や細胞の活動をサポートしてくれる五大栄養素のひとつ。
望月理恵子さん
大腸内でオリゴ糖が発酵すると、腸内細菌によって代謝されて『短鎖脂肪酸』が産生されます。この短鎖脂肪酸が産生されると、大腸内のpHが低下。カルシウムやマグネシウムといったミネラルが溶けやすくなり吸収を促してくれるため、ミネラル豊富な食材とオリゴ糖を一緒に摂るのもおすすめです。
また、砂糖は血糖値を急激に上げてしまいますが、血糖値が急上昇すると血液の流れや腸内環境が悪くなったり、生活習慣病につながったりする可能性が出てきます。オリゴ糖のほとんどは血糖値に影響を与えるという心配がそれほどないので、そういった点も魅力の一つだと思います。
オリゴ糖はダイエットにもお役立ち!
望月理恵子さん
オリゴ糖には整腸作用があるため、腸内環境が整うことで代謝がアップ。また、砂糖は1グラムあたり4キロカロリーなのに対し、オリゴ糖は1グラム2キロカロリーほど。甘さが違うとはいえ、砂糖と比べて約半分のカロリーです。
さらに、オリゴ糖が腸内で発酵するときに産生される短鎖脂肪酸は、脂肪細胞の蓄積を抑制する働きが期待でき、いまとても注目されています。ぜひダイエットにもオリゴ糖をうまく活用してほしいですね!
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“オリゴ糖は危険”って本当? デメリットは?