現役ヘアメイクと作者が語る、漫画「ブレス」の魅力とは?
ヘア&メイクアップアーティスト
小澤桜さん
MAKEUPBOX所属。2021年に長井かおりさんに師事し、2年後の2023年にデビュー。トレンドをデイリーに取り入れるメイクに定評あり。
Instagram:@ozawa_sakura_
ヘアメイクアップアーティスト 小澤桜さん
チークを仕込んでクマを隠すテクニックや、そばかすを光で飛ばすロジックなど、深掘りされた“ニッチなメイク技術”が、毎回の楽しみです。また、第一巻でそばかすを隠すメイクと活かすメイクの両極のテクニックが登場していましたが、どちらもメイクされる側の理想を大事にしていて。メイクの力で誰かを肯定できるって素敵なことだなと、改めて実感しました。
漫画家
園山ゆきのさん
『月刊少年シリウス』(講談社)にて、漫画『ブレス』を連載中。大のコスメ好きで、特にリップは色や質感を使い分けて愛用中。を愛用中。メイクシーンを描く上でのこだわりは、臨場感が出る手の形や動き。
漫画家 園山ゆきのさん
『ブレス』というタイトルには、「自分らしさに祝福(BLESS)を」という想いが込められています。人が変わるきっかけって、ほんの少しのことだったりすると思うんです。アイテムをひとつ変えたり、テクニックをひとつ取り入れたりするだけで、昨日よりも少し特別な自分になれますよね。単純に楽しいとか、変われることが自信になるとか、そういったいい影響を与えてくれるのが、メイクのいいところだと思っています。
VOCE編集部
メイクアップアーティストを題材にするにあたって、実際の撮影現場にも足を運ばれたそうですね。どんな印象を受けましたか?
漫画家 園山ゆきのさん
想像していたよりも、ずっとたくさんの人が関わっていました。カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク……、アイアがこれから踏み込もうとしている世界には、立場の違ういろんな人たちの想いが交わっていくんだなと。
VOCE編集部
劇中にはランウェイを歩く炭崎の大胆な行動がありましたが、メイクによる変化ですか?
漫画家 園山ゆきのさん
それもありますが、もともと炭崎の中にあった潜在的な意識があらわれた結果の行動で。メイクがいい刺激になったのかもしれません。
VOCE編集部
園山先生は大のコスメ好きと伺いました。
漫画家 園山ゆきのさん
オタクまでではありませんが、コスメは集めるのも見るのも大好きです。デパートのコスメ売り場に行ったら、まず新作をチェックします。タッチアップしながら、新しいテクニックに出会えるのも楽しみのひとつです。最近買ってよかった名品コスメは、シャネルのボーム エサンシエル。ローズっぽいものと、パールっぽいものがお気に入り。今日はツヤっぽく仕上げたいなというときに、ファンデとパウダーの間に使って仕込んでいます。
VOCE編集部
物語のカギとなる“求められる自分”と“なりたい自分”。コンプレックスとの向き合い方を教えてください。
漫画家 園山ゆきのさん
“いったん受け入れる”ことですね。私は少しふっくらしているタイプなのですが、「太っているからダメ」とか、「可愛く服が着られない」とか、そういう悩みをいったん飲み込みます。そうすると、今の自分に合ったものが見えてくる気がします。
VOCE編集部
夢を追いかけるアイアたちには、たくさんの試練があります。“壁”の乗り越え方を教えてください。
漫画家 園山ゆきのさん
未来を考えることです。予定や不安ではなく、具体的な計画にして考えます。手帳をかなり愛用していて、ToDoリストをつくったりと、思考をこまめに整理するようにしています。モヤモヤを一度すべて書き出してみると、頭の中がすっきりするので、余計な不安を溜めないですむんです。これを続けて、もう6年は経ちますね。
VOCE編集部
アイアたちの行く末が気になるところですが、第6巻(2024年12月9日発売)からの見どころは?
漫画家 園山ゆきのさん
いよいよアンダー21の大会がはじまります。そこで、どんなメイクが生まれていくのか、アイアはどんなメイクで戦っていくのか、“自分なりのメイク”の形をどのようにつくっていくのか……。アイアと同世代の方々には、自分の姿を重ねて、未来を想像してみてほしいですし、オトナのみなさまにも、青春時代の何かに夢中になった気持ちを思い出して懐かしんでもらいたい。どんな世代の人にお読みいただいても、共感してもらえる作品になればうれしいです。
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ヘアメイク/小澤桜(MAKEUPBOX) 取材・文/森谷香菜
Edited by 宮ノ原 幸佑
公開日:
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