前楽の日は大泣きしたんですけど、千秋楽の日はすっきりした気持ちでした。
美夢
千秋楽の日を振り返ると、いかがでしたか?
野々花さん
本当に朝から夜まで幸せいっぱいで。支えてくださった皆さまに感謝しています。
美夢
退団の千秋楽って本当にそうですよね。
野々花さん
前楽の日は雪組のみんなと離れる寂しさが溢れてきてしまって、下級生の子と抱き合って大泣きしたんですけど……千秋楽の日はすっきりした気持ちで、これまでの感謝と幸せをひたすらに感じていました。
美夢
卒業はいつ頃から考えていたのでしょうか?
野々花さん
劇団にお伝えしたのは、ひとつ前の大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』のときです。
美夢
卒業を決めたきっかけは?
野々花さん
「いつかは卒業」ということはずっと考えていましたが、一番のきっかけは、とてもお世話になった和希そらさん(※編集部注:元雪組男役スター)が退団されると聞いたときでした。
美夢
和希さんは特別な存在だったんですね。
野々花さん
和希さんが組替えで雪組にいらしてから、ご一緒させていただくことが多く、自分の目指すもの、自分に足りないものをすごく感じるようになりました。一緒にお芝居をさせていただいて、自分の中の感覚がすごく変わったんです。『双曲線上のカルテ』でも一緒に舞台を作らせていただいて、本当に楽しくて濃い時間だったのですが、まさかその次の公演でご卒業されるなんて全然知らなくて。
美夢
和希さんも、一緒に公演をしながらも、退団発表を悟られないようにされていたんですね。
野々花さん
はい、だからとても衝撃的だったんです。それが、「私はこの先どうするのだろう?」と自分の未来を考える一つのきっかけになりましたね。
美夢
でも周りの方はびっくりされたでしょう。
野々花さん
そうですね。でも引き留めてくださる一つ一つのお言葉が、次に進むエネルギーになりました。
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宝塚歌劇団との出合い、思い出の作品は?