連載 SHOCK EYEの神社習慣

神社巡りを続けて分かった「本当のご利益」

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「歩くパワースポット」と呼ばれるSHOCK EYEさん(湘南乃風)が、おすすめの神社から、心を前向きにする言葉をお届けする好評連載。SHOCK EYEさんが最近行くことの多い神社の共通点と、そこで感じる、日常では得がたい「ご利益」とは?

無心のひとときが、自分を癒やしてくれる

僕がなぜ、鹿島神宮のような、自然と共にある神社が好きなのか。実はこれには明確な理由がある。そしてそれは、僕にとっての“神社とは何か”という話にもつながっている。

最近、僕の神社巡りにちょっとした変化があった。それは、できるだけストロークの長い神社を選ぶようになったということ。どちらかといえば長い参道があったり、本宮や、奥宮が山間にあったりして、参拝のついでにハイキングもできるようなところばかり選んでいる。それでいうと、鹿島神宮は僕の理想にぴったりだ。

なぜかと言ったら、森を歩いたり山を登っていると、いつの間にか無心になれるから。その時間は間違いなく自分を癒やしてくれるし、これこそインスピレーションと呼ぶべきものなのかもしれないけど、普段とはまるで違った思考に連れていってくれるんだ。

昔の人々は、例えば薪を割ったり、洗濯板で洗濯したり、縫い物をしたりというふうに生活の全てのことに時間がかかっていたから、その分、手を動かしながらも頭は“無”になれる時間があったはずだ。でも現代では何でも全部機械がやってくれるから、僕らは余った時間をひたすら考えることに費やしてしまう。だからこそ、たまには強制的に思考をストップさせることも必要だと思う。

僕のお気に入りポイントのひとつ。奥宮の後ろにまわるとギリギリのところに生えている1本の大木がかっこいい。

偉人たちは知っていた、自然に触れることの大切さ

自然の中に身を置くことで得られる、癒やしの効果。これも、昔の人はちゃんと分かっていたんだろう。歴史を振り返ってみると、世界中の偉大な哲学者や芸術家には、晩年になると郊外に隠居して、森や山の中を歩きながら思想を深めたり、イマジネーションを膨らませたという人が多い。それは日本も同じで、松下幸之助、本田宗一郎といった偉人たちがこぞって神社参拝を日課にしていたのは、自然という非日常に触れ、ほんのひと時でも心を“無”にすることがどれだけ重要か、直感的に知っていたからだと思う。僕はまだかつての偉人たちの境地には至っていないけど、その感覚はすごく分かる。

今の言葉で言えば「マインドフルネス」とかになるのかな。ストレスフルな状態から、心がリセットされることで、今までだったら絶対に思いつかなかったような斬新なアイデアが浮かんだり、目の前にあっても気付かなかった大切な出逢いに気付けたり……。そこからどんどん好転して、いつしかキャリアアップや結婚といったその人自身の願いにもつながっていく。自分で幸せをつかめる状態に、心を整えてくれること。僕はこれこそが、本当の意味での神社のご利益だと思うんだ。

もちろん、さまざまな神社で言われている「恋愛成就」「立身出世」といったご利益を否定するつもりはないよ。でも、ただやみくもにお願いごとを唱えるだけじゃなく、心を整えて自分自身もよい方向へ変わっていくほうが、目指すゴールにもより早く近づけるんじゃないかな。

<column>
御朱印は、参拝した自分へのご褒美

御朱印を書いていただくところを特別に間近で見せてもらった。

僕にとって御朱印は、長い旅の後にもらえるご褒美のようなもの。その場に行かなければいただくことができない、というところも旅のテンションを高めてくれるから、これから神社巡りを始めようと思ってる人は一緒に始めてみるといいと思う。遠い神社も行ってみようかなという気持ちを後押ししてくれるし、集めたものを後から見返すのも楽しい。訪れた神社への愛着もいっそう強くしてくれるはずだよ。

<Data>
今回、参拝したのは……

【鹿島神宮】(写真は奥宮)
茨城県鹿嶋市宮中 2306-1
HP:http://kashimajingu.jp/
御祭神:武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)

【SHOCK EYEプロフィール】
1976年神奈川県生まれ。RED RICE、若旦那、HAN-KUNとともに「湘南乃風」を結成、2003年デビュー。2011年にはポルノグラフィティの新藤晴一らとTHE 野党を結成。著書に『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている運気アップの習慣』(ともに講談社)がある。インスタグラム上で、Shrinegramという、オンラインでの会員限定コンテンツも人気。
Instagram:@shockeye_official
Twitter:@SHOCK_EYE_

撮影/大坪尚人(弊社写真部)スタイリング/渕上カン ヘアメイク/大島千穂 取材・文/山崎恵 企画/黒田剛

Edited by 石井 亜樹

公開日:

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