連載 VOCE特別インタビュー

「桑田真澄に泥を塗るのか!」Mattがバッシングに折れなかった理由【母への想い②】

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matt

タレント、モデル、そしてアーティストとして活躍するMattさん。このたび、Mattさんのお母さんである桑田真紀さんが上梓した『あなたはあなたのままでいい ~子どもの自己肯定感を育む桑田家の子育て~』より、一部抜粋して、Mattさんが語る母への思いを2回に分けてお届けします。桑田家に生まれながら野球を辞め、音楽の道を選んだMattさん。そのビジュアルから激しいバッシングを受けることになった芸能界活動のデビュー当時、それでも折れずに自分のスタイルを貫けたのは、幼い頃から母にかけ続けられた言葉のおかげでした。

話してくれたのは…
Matt
Matt

1994年7月18日生まれ。7歳でピアノとバイオリンを始める。当時は野球チームにも所属。その後、吹奏楽部に入り、高校ではサックスを担当。大学では英語・サックス・ピアノ・ドラム・作曲を学び、アメリカ留学を経験。音楽活動時のアーティスト名はMatt Rose。

常に全肯定してくれた母あってこその現在の自分

母も僕もお互いが今、どんなことを考えているのか、感じているのかがわかる―。見えないGPSがお互いについてる感じ。親子ではなく、ソウルメイトです。

こんなことを言ったら父が悲しんでしまうかもしれないけど、父がアメリカに行くと聞いたときは寂しいというより、「すごいね。頑張って!」と、応援する気持ちのほうが強かった。だけどもしそれが母だったら? 野球をやめてからの学生時代をサポートしてくれた母なしでは、今の僕はいなかったでしょう。

小さい頃から、外で運動するのも好きだし、室内遊びも好きでした。僕自身は、なにかにつけて男の子、女の子で線引きされるのがとても不思議でした。今もジェンダーで分けられるのは本意じゃないし、それこそ差別が嫌いです。化粧をしようが、どんな格好をしようが、MattはMatt。母は最初のころは心配してましたが、ジェンダーレスって言葉が一般化した今、やっと生きやすい時代が来たと僕は感じています。

matt

学生時代も今と同じしゃべり方だったから、「オカマみたい」とか「オネエぽい」と言われることもありましたが、母がいつだって僕を全肯定して接してくれたので、安心して毎日を過ごすことができました。

いつだって力をくれた、母からの言葉

美しくて、優しくて、強い、小さいころから僕の自慢の母。学生のころは周りに母を見せびらかしたくて、用事もないのに学校まで来てもらったり、家に友達を大勢呼んだりしました。その気持ちは今も、変わっていません。

芸能界に入ったことで、いろいろ叩かれたりもしたけれど、いつだ
ってひたむきに僕を支えてくれました。心ないアンチのコメントに僕
より憤ってくれたり、マネージャーとして慣れない連絡や撮影の立ち
会いを必死にこなしてくれたり。そんな母の応援があったからこそ、
ここまで僕は頑張れました。

matt

あなたの代わりはいないのよ
あなたにしかないものがある
あなたには素晴らしいものがあるの
そして、
あなたはあなたのままでいい

母がくれた言葉たちは、僕の宝物。この宝物にパワーをもらいなが
ら、僕はずっと輝き続けてみせると、約束します。もっともっとこの世界で輝いて、必ず恩返しをします。

何がいいかな、大きい家? それじゃ普通すぎて僕らしくないから、宇宙旅行のほうがいいかな(笑)。そんな日が来ることを、楽しみに待っていてください。

ママ、たくさんの愛をありがとう。大好きだよ。

2021年春 Matt

あなたはあなたのままでいい 子どもの自己肯定感を育む桑田家の子育て

桑田真紀・著 講談社刊 1540円

偉大な野球人・桑田真澄さんを父に持ち、生まれながらに周囲からプロ野球選手を目指すことを嘱望されたMattさん。自分の「好き」を貫けたその強さや背景は? 強烈な個性を生み出した桑田家の子育てを母親・桑田真紀さんの目線で語ります。

*第1回の記事はこちらから!

Edited by 中田 優子

公開日:

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