1999年12月、VOCE創刊とほぼ同じ時期に始まった連載企画といえば『実験VOCE』。どんな結果が出ても、メーカーへの忖度なしに公開してしまう“ガチ”な姿勢が読者に支持され、気づけば本誌の中で一二を争う長寿連載に。そんな人気企画の裏側を、部外者立ち入り禁止の研究所から実況報告!
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毛穴詰まりやニキビにさよなら!最強の本命クレンジングTOP10【デュオ、ポーラ】
美肌の必須アイテム“クレンジング”
花粉や微小な大気汚染物質など、肌に付着したまま放置するとトラブルの原因になるものが多い今の時代、クレンジングはこれまで以上に大事なスキンケアアイテムといえそう。というわけで、VOCE7月号の実験テーマは2020年の夏以降に発売されたクレンジング製品。各ブランドのイチオシアイテム10品を揃えて、約1ヵ月にわたる実験を研究所にお願いしたのだった!
毛穴の奥の汚れまで落とせるか。それが問題だ!
熱がこもりやすいマスクの内部は、温度や湿度が高くなることで皮脂が過剰に分泌されがち。それがメイクや雑菌、汗と混ざることで毛穴詰まりや肌荒れなどのトラブルの原因になっているという。ならばクレンジングは単に洗浄力が高いだけでなく、毛穴の内部に入り込んだ汚れまできっちり落としてくれるものを選びたいところ。その検証のために活躍するのが、オレンジ。
過去の実験ではライムに肌色のファンデを塗布していたけれど、今回はオレンジに変更した。その理由は……。クレンジングの進化なのか、10品どれも落ちて写真で差がわかりにくくなったから。今回はライムよりも“あばた感”が強そうなオレンジに、パッと見てわかりやすい白色のファンデを使って実験することにしたのだ。
細部までスッキリって意外と難しい!?
オレンジの皮の表面だけでなく、くぼみに入り込んだファンデもちゃんと落ちているかを確認してみると、意外と落ちてない!? 使用している白色ファンデが舞台用メイクブランドのもので落ちにくい処方ということもあるけれど、表面はともかく、くぼみの奥のファンデは落ちていないものがちらほら。もちろん人肌とオレンジは違うけど、機械的に手を動かしておざなりにクレンジングしていると、メイク汚れって落ちていないのかもしれないな、と実感。汗や皮脂が多くなる夏はとくに、アイテムも、クレンジングの仕方も見直すべきかも?
肌への負担を左右する“流しやすさ”
クレンジングしたあとに流しやすいかどうか。それをこの実験企画では乳化の早さでチェック。まずシャーレにクレンジングをそれぞれ1g計量し、専用マシン内の水に浮かべてお湯をそっと入れていく。
スイッチオンすると超音波が発生し、シャーレ全体に振動を与える。この刺激によってクレンジングとお湯が混ざって乳化が進むという流れ。水面に浮かべる時間は2分だが、超音波がしっかりシャーレに当たるようにちょっとずつ調整しつつ、じっと見守っていると……。
みるみるうちに白くなっていくじゃないか。そう、これこそが乳化! 肌で起こるはずの乳化プロセスを生で見ることができてちょっと感動。乳化するのが早いのはやっぱりオイル形状。バームやジェル、クリームタイプはまさに製品による、という感じ。
しかも、見た目は真っ白になっていて「ちゃんと乳化してる!」と思っても、シャーレを傾けてみれば固形物が出てきたなんてアイテムもあった。乳化が遅ければ流すときに時間がかかるし、洗ったあとの肌のベタつきにもつながってしまう。肌を擦ることなく丁寧にメイクとなじませつつ、顔のすみずみまで洗い流す。基本的なことだけど、こういう意識を持つことも大事なのね。
フルメイク、落ちるかどうか!?
口紅やマスカラは専用リムーバーで落としましょう。うん、知ってる。わかっているけど、やっぱりクレンジングで一気に落とせたら楽だよね。そんな気持ちをくみとって、行われるのが“フルメイク落とし実験”。これまではずっと、キューピー人形にダークベージュのファンデを使ったガングロメイクでテストしていたのだが、今回からは白のスティックファンデにチェンジ。
アイブロウパウダーと青色シャドウ、黒のアイライナーにオレンジチーク、仕上げに赤リップとフルメイクをしたキューピー。そこにクレンジングをなじませて水で洗い流していく。
口紅やチーク、アイシャドウなどはスルッと落ちるけど、意外としつこく残りがちだったのがアイライナー。ちょうど人形の目元がくぼみになっていて、そこにアイラインを描いているせいかも? だけどちょっと待って。この結果を見ると小鼻や下唇の下など、顔にあるくぼみ部分のメイクだって同じように残りそうじゃない? そういえば、そこは指でさわるとブツブツができることが多いところ。皮脂分泌も多ければメイクも残りがちだからこそ、角栓が溜まりやすいのかもしれない! 顔のくぼみに角栓溜まりがあると気づいたら、クレンジングのときの指の動きを意識してみるといいかも。
夏の美肌は優秀クレンジングあればこそ!
不要なものをキレイさっぱり落とすには、ちゃんと落とせてちゃんと流せるクレンジングがやっぱり必要。洗浄力の高さや洗い流しのしやすさ、なじませているときの感触など、優秀クレンジングはこちらからチェックして!
文/穴沢玲子
Edited by VOCE編集部
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